日本橋と地域をつなぐ交流カフェ「わたす日本橋」(中央区日本橋1)で6月7日、職業人の社会貢献活動、「プロボノ」の説明会が行われた。主催はNPO サービスグラント。
登録スタッフは現在約3000人、30~40代の働き盛りが中心
社会人が自分の得意分野で、さまざまな社会課題解決に貢献する期間限定型のボランティアプロジェクト「プロボノ」。
「社会貢献の一つのあり方として欧米では一般化しつつあるが、日本ではまだ知名度は低い。人材育成プログラムとして注目する企業もあるが、まだまだマイナーな仕組み。『プロボノ文化』を五街道や郵便、金融など近代経済や文化上の日本初が多い日本橋の地から全国に広めていきたい」と同NPO事務局の岡本祥公子さん。「会社で経験してきた専門分野を生かして世の中に貢献できる。勤務先では得られないネットワーク作りやキャリアアップの機会にもなる。社会とつながる選択肢として積極的に参加してほしい」と呼び掛ける。
プロジェクトは短期(1DAY)・中期(2~3カ月)・長期(6カ月)の3パターンで、地域のNPOや任意団体などの要請に応えて希望者をチーム単位でマッチングする。解決課題はホームページの立ち上げや、パンフレットの制作、組織運営の見直しなどさまざまだが、目標を決めて各自がその道のプロとしてディレクターやマーケティング担当、コピーライターなど役割を明確にして参加する。
年間に取り扱うプロジェクト数は約70件で、本年度は東京エリアだけで短期(1DAY)11件、中期20件、長期24件を予定する。同NPOの登録スタッフ数は現在約3000人弱だが、まだまだ不足しており長中期のプロジェクトを中心に7月15日まで募集を続けるという。
会場には近隣に勤める会社員8人が詰め掛け、岡本さんの話に熱心に聴き入っていた。丸の内で人材紹介会社に勤める、押(おさえ)雅子さんは「普段会社で任せてもらえないような仕事にもチャレンジできるので、日頃のモヤモヤが解消できそう。自分の実力を試すにもいい機会なのでぜひ登録して参加したい」と意欲を見せていた。