商業施設「KITTE(キッテ)」(千代田区丸の内2)地下1階にある「東京シティアイ」で2月22日、秋田県湯沢市、羽後町、東成瀬村で構成する「湯沢雄勝エリア」の産業や文化、観光をPRする「みらいのまちデザイン展」が行われた。
秋田県では現在、人口減少率が5.8%と4年連続で全国ワースト1となり、高齢化率も35%に達するなどの課題を抱える一方、人口減少を受け入れ、さまざまな変革を模索することで新たな地域の再生イメージを創出している。
東成瀬村企画商工課の高橋和典さんによると、特に教育分野では少子化を逆に活用し、少人数だからこそ可能な「教育」に力を入れ、小中学生の学力は全国でもトップクラスを実現。中でも今回参加の東成瀬村では子どもたちが自ら考えて学ぶ探求型授業とアクティブラーニングを導入して県内トップの学力を維持しており、全国から教育関係者の視察も絶えないという。地場産業も海外展開をも視野にいれた地域独自の活性化など積極的な地方創生に取り組む。
会場ではトークセッションや700年の歴史を持つ日本三大盆踊りの一つという「西馬音内(にしもない)盆踊り」の体験型ワークセッション、地元の川連(かわつら)漆器の蒔絵(まきえ)・沈金のワークショップ、地元産品マルシェなどが行い、KITTEの買い物客や近隣の会社員など約3000人が来場した。
トークセッションでは、藤井延之福市長の司会で、「外の風による革新~地方創生×温故知新」と題した「よそ者」と「若者」による地域活性化と、逆境を逆手に取った学校教育革新事例の2テーマで討議。
仕事の帰りに偶然立ち寄ったというサラリーマンは「今まで名前も知らなかった町だが、伝統を守りながら、弱点を強みに変える取り組みに感心した」と話していた。
「今回のイベントを普通の物産展にはしたくなかった」と藤井副市長。「湯沢雄勝エリアの歴史と文化に触れていただき、そのストーリーを知った上で物産をご購入いただき、ふるさと納税でつながりを持ち、観光に来て好きになってもらい、できれば移住も検討する。そんな自然な流れを期待したい」と話す。
地元の若者や秋田出身のアーティスト・高田由香さんとのコラボの動画で「ラップ副市長、MCフジイ」として知られる藤井さん。総務省から出向した東大卒の「エリート副市長」と「ラップ」のギャップ感が話題となり、ユーチューブの再生数は6万2,000回を超えているという。藤井さんは「特に広告をしているわけでもないが再生回数は現在も増加している。先日は総務省の『マイナンバーカード』プロモーション動画にも協力させていただいた。湯沢市のPRに使えるものは何でも利用する」と笑顔を見せる。