日本橋人形町で10月8日、恒例の「てんてん祭(さい)」が開催された。主催は人形町商店街協同組合の協力団体として会員の息子世代に当たる40代を中心に構成する「三水会」。
今年で29回目になる同イベント。江戸初期は吉原や芝居小屋で江戸一番の繁華街として栄え、東京の代表的な下町として知られる人形町の、歴史と伝統を広く伝えることを目的に企画した。
隣接する安産祈願・子授けの神社「水天宮」にあやかり、十月十日(とつきとおか)にちなんで例年10月2週目の休祝日に開催しており、名称も「てんてん祭」として近隣の住民に親しまれている。
祭り当日は、人形町通り区間の約半分を歩行者天国にして、「子どもゲーム」や中央区唯一の相撲部屋「荒汐部屋」の力士が参加する「わんぱく相撲」「ちゃんこ」振る舞い、焼きそばやわたあめなどを販売するフードコーナー、はしご消防車や白バイの体験乗車コーナーを展開。区内外からの約1万人の人出でにぎわいを見せた。
今年から新たに甘酒横丁商店街による「芳町芸者お座敷体験コーナー」や、シンガー・ソングライターの種田博之さんによる地元ソング「人形町へ帰ろう」ライブ、近隣商店街で構成する「お江戸日本橋東地区会」から、浜町、東日本橋、富沢町の各商店街がブース出店を行うなどの企画も登場。同祭の呼び物「富くじ」は、日本橋七福神の一つ「椙森(すぎのもり)神社」が宝くじ発祥の地であることにちなんだ恒例企画で、テレビや家電などの賞品をはじめ、30以上景品が用意された。
三水会の渥美雄一郎さんは「ここ数年、何かしら雨に降られていた『てんてん祭』だが、今年は晴天に恵まれて盛会となりありがたい。 年々お祭りとして近隣地域や中央区などとの人とのつながりの濃さも増して、内容も密度の高いものになっている。人形町をもっと知って、楽しんでもらう意味でも、こうしたイベントから広がる輪を大切にしたい」と話す。「地元キャラ『人之助』との記念写真の投稿で人形町名物を進呈するキャンペーンも行っているので、一緒に盛り上げてほしい」と話す。