日本橋三越本店(中央区日本橋1、TEL 03-3241-3311)で3月28日、日本の伝統工芸を受け継ぐ若手工作家による「未来の巨匠による桜展」が始まった。主催は若手工芸家の制作活動を支援する「匠創生」(千代田区)。
今回初の試みとなる同展。日本の若手実力派作家に発表機会を提供する場として、カラス工芸、陶芸、彫金など日本の伝統工芸6分野で受賞歴のある美大生や院生が「桜」「春」をテーマに競演する。
会場となった同店7階のイベントスペース「はじまりのカフェ」では工芸作家20人の作品を展覧。出展者の一人で陶芸家の千葉慶慎彦さんは「日本橋三越本店に作品が展示できるのはすごいこと。普段は工房で制作に没頭しているが、店頭で接客することで顧客のニーズもつかめる」と話す。「他の作家とは今日初めて会った。同年代で同じ目標を持つ同志でもあり競争相手でもある。話をしているととても刺激を受ける」と話していた。
今回のイベント担当で匠創生の島麗さんは「手仕事をなりわいとする伝統工芸の職人作家を取り巻く市場は縮小傾向にある。せっかく技術を学んでも学校を卒業すると制作をやめて就職してしまう学生も多い。今回出展する20人も在学中の学生や卒業したばかりのアーティストが大半。彼らの『営業マン』として国内、海外に向けたマーケティング支援でサポートしていきたい」と話す。「ちょうど同じ7階フロアでは『院展』も始まっているので、作品鑑賞の帰りに立ち寄ってほしい」と話す。
開催時間は10時30分~19時30分。4月3日まで。