企業で働く男女や夫婦に向けた「第1回 働き方と妊活のみらいを計画するワークショップ型セミナー 妊活みらい会議」が11月21日、八重洲のサウスタワーで行われた。主催は家庭用医薬品販売の武田コンシューマーヘルスケアと「じゃらん」や「ホットペッパー」を展開するリクルートライフスタイル。
武田コンシューマーヘルスケアが販売する排卵日予測検査薬「ハイテスター」シリーズと、リクルートが新規事業として展開するスマホアプリによる精子のセルフチェックサービス「Seem」のコラボレーション企画として、不妊治療の啓発を行うNPO法人Fineの協力を得て開いた。
セミナーでは妊活コーチで同NPO代表の松本亜樹子さんが、年齢と妊娠・出産の関係性やパートナーと取り組むための豆知識など妊活情報を講演。ワークショップでは、欲しい子どもの数や時期、仕事、住宅問題など参加者自身の未来設計を描きながら、パートナーとの互いのビジョンを可視化する「妊活みらい年表」を作成。会場には両社の男女社員やカップルなど約30人が駆け付けて、熱心に松本さんの話に聞き入っていた。
国立社会保障・人口問題研究所によると近年、日本では不妊を心配するカップルが増え、その割合は夫婦のおよそ3組に1組に上る。両社が妊活に取り組む20~40代の男女を対象に実施した「妊活ジェンダーギャップ調査」では、妊活に取り組む男女の4人に1人が「妊活をパートナーとうまく取り組めていない」と感じているという。特に妊活への取り組み意向は女性の76.6%に対して、男性は19.7%と低く、男女間での意識の違いが如実に出ている
「大きな社会課題の一つ『少子化』への解決策として開発を進めてきた。不妊に対して特に男性側が具体的な行動を起こしていないことが多い、という現状に問題意識を感じており、スマートフォンで男性が手軽に精子チェックできる『Seem』を開発した」とリクルートライフスタイルで新規ビジネス開発を担当する入澤諒さん。「精子に異常が発見されても、早い時期なら食事や運動など生活習慣の改善で解決できることもある。『Seem』が男性の行動変容のきっかけになれば」と話す。
武田コンシューマーヘルスケアの八尾あすかさんは「妊活の問題は女性側が一人で抱えがち。自分で簡単にチェックできる『Seem』と『ハイテスターH』のコラボで、男女が真剣に妊娠を考える機会づくりになれば。どちらか一方ではなく、パートナーと一緒にコミュニケーションを取りながら、気持ちを一つにして妊活に取り組んでほしい」と呼び掛ける。