書道家・武田双雲さんの個展「煌めき」が2月26日、日本橋三越本店本館7階ホールで始まった。
同店での個展開催は今回が初めて。会場には新作をはじめ、双雲さんが近年力を注いでいるという現代アートやインスタレーション作品など100点以上の作品を展示する。
1975(昭和50)年熊本生まれの双雲さん。幼少期から母親で書道家の武田双葉さんに師事し、会社員を経て2000年代初頭から書道家として本格的に活動を始めた。これまで、映画「春の雪」「北の零年」をはじめ、NHK大河ドラマなどの題字やロゴなどを数多く手掛け、日本を代表する書道家として書籍出版や企業とのコラボレーションなど幅広く活躍。書道の伝統技法を踏まえつつ、常識を打ち破る斬新な作風で、国内外から高い評価を受けている。
和紙の紙すきも自ら手掛けるという双雲さんは「職人から『ムラが出るよ!』と叱られながら、リスペクトしつつ、怒らせるのを覚悟でやってはいけない事をあえてやって新しい作品にチャレンジした」と振り返る。
25日に行われたレセプションでは、多くの参加客が駆け付ける中、即興パフォーマンスを披露。「叶(かな)う」をテーマにした作品など2作品を目の前で仕上げて見せた。「子どものころから何をやっても失敗続きでうまくできなかったが、母に習った書道に救われた」と双雲さん。「書道の世界でも『落ち着け』とか『今はその時では無い』とか言われ続けて衝動を抑えてきたが、アートだとその衝動がスゴイとなるのが面白い。自分の作品を通じて『人を幸せにできる』ことが何よりうれしい」と笑顔を見せる。
開催時間は10時~19時(最終日は18時まで)。入場無料。3月2日まで。