日本橋の老舗うなぎ店「うなぎ喜代川」(中央区日本橋小網町 Tel03-3666-3197)が2月28日、「期間限定!在宅ワーク応援キャンペーン」を始めた。
人形町生まれの谷崎潤一郎をはじめ、渡辺淳一などの小説家もひいきにしていたという同店。小説「化身」の舞台にもなっている。創業は1875(明治7)年。5代目当主渡辺昌宏さんが「うなぎ文化を継承することが使命」という思いを胸に、江戸前のうなぎの味と伝統を守り、時季に合わせて仕入れた素材をじっくり蒸して、創業時から注ぎ足して使用しているたれと備長炭で一枚一枚丁寧に焼き続けてきた。1927(昭和2年)に建てられた数寄屋造りの店舗は、2018年に文化庁から登録有形文化財として認定を受けている。
兜町や茅場町の証券会社や近隣で働く会社員を中心に人気を呼んでいる同店だが、新型コロナウイルスの影響で先月以来、客足は落ちてきているという。
「時節柄、在宅勤務者が増える中、『できるだけ外出は控えたいが、おいしい物も食べたい』『旦那が在宅ワークになって食事の用意が面倒』『子どもが休校。ごはんどうしよう?』といったお客さまの声を聞いて、うなぎ屋としてなんとか応援したいと考えキャンペーンを行うことにした」と同店5代目おかみの渡辺恵理さん。
出前メニューは,「うな重」(特上=4,500円、上=4,000円、中=3,500円)。配達エリアは小網町の同店を中心に、兜町、人形町、小舟町、浜町、東日本橋(一部)など日本橋12町会。通常、注文2品からの宅配となるが、小網町エリアに限り1品から受け付ける。
「出前なので軽減税率も適応される」と恵理さん。「注文を頂いてから焼き上げるので少し時間はかかるが『ご自宅うなぎ』の良質な脂と豊富なビタミンで免疫力を上げて在宅ワークを乗り切ってほしい」と話す。
営業時間は11時~14時、17時~20時。日曜・祝日定休。キャンペーンは3月31日まで。