画家・山田優アントニさんの個展「Light and Shadows」が現在、日本橋大伝馬町のアートギャラリー「REIJINSHA GALLERY」(日本橋大伝馬町、TEL 03-5651-8070)で開かれている。
同ギャラリーでは4回目となる同展のテーマは「光と影」。制作した作品を写真に撮り、写真から切り出した図像を現実の空間に置いて1方向から光を当て、実際にできた影を絵に加えるという工程を経ている。会場には100号の大作「garden」をはじめとする、最新作16点を展示する。
祖父の代から続く肖像画家の家庭に生まれ、幼い頃より人の顔をモチーフに繰り返し描いてきたという山田さん。「平面の絵画空間で生まれたモチーフと、現実に発生するリアルな影。『イメージと現実が交差するとどうなるのか』という純粋な興味と発想が今回の制作の原点となった」と話す。
「制作は日記をつづるのと似ている。明確なイメージを持たず日課のようにキャンバスに絵の具を置きにいく。自分自身の日常の出来事や感情、過去の記憶、音、経験などが反すうして、それぞれの作品に影響を与えている」と山田さん。「登場人物に特にモデルはいないが、そういう意味では制作時点の自分自身なのかもしれない。最後に作品を見る人の感情が加わり、自分の作品は完成する」とも。
同ギャラリー責任者の岡田恵さんは「会期中に緊急事態宣言が出て、8日より原則的に閉廊としているが、スタッフは常駐しているのでじかに作品が見たいという方向けに、平日に限って完全予約制で閲覧を受け付けている。ギャラリーは3方向から風が入る1階の角地という立地なので定期的に換気を行っており、入場は1人または1組ごとに限定しているので安心して山田優アントニの世界を楽しんでほしい」と話す。
開催時間は12時~19時(最終日は17時まで)。入場無料。土曜~月曜、祝日定休。完全予約制で予約は電話とメールで受け付ける。今月24日まで。