東京駅日本橋口のJOBHUBスクエア(千代田区大手町1)で3月28日、トンガ王国を支援する義援金授与式が行われた。主催はパソナグループ。
今年1月の海底火山の大規模噴火に伴う地震と津波で、大きな被害を受けたトンガ。日本トンガ友好協会によると、トンガは現在、新型コロナウイルス感染拡大によるロックダウンが行われており、被災から2カ月たったが復旧が進まず、生活必需品配布の遅れや支援活動停滞が懸念されているという。
トンガの現在の情報を知った同グループの社員らは全国に呼びかけ、短期間で80万642円の募金を集めた。義援金授与式には、日本トンガ友好協会代表で、昨年10月にパソナ・パナソニック・ビジネスサービス地域連携担当マネジャーに就任したラトゥ ウイリアム志南利さんが駆け付け、同グループ副社長の深澤旬子さんから義援金を受け取った。
深澤さんは「最近はウクライナ侵攻のニュースばかりで、トンガのことが忘れられているようで気になっていた。グループが一気に動いて全国から募金は集まったが、どこに託したら良いのか困っていたところ、ラトゥさんのことを思い出した。これからも日本とトンガの友好のために尽力していただきたい」と話す。
トンガ出身のラトゥさんは19歳の時にラグビー留学生として来日し、2001年に現役を引退するまでに計3度、ワールドカップ出場を経験するなどラグビー界で活躍した。引退後は日本トンガ友好協会の代表として日本とトンガの架け橋となり活動してきたが、今回の震災では自身の家族をはじめ故郷に大きな被害を受け、母国の復旧支援に奔走しているという。
「日本に住むトンガ人が安心して暮らせる環境創りを目的に昨年4月に立ち上げた協会だが、今回の災害で図らずも支援窓口のような役割を担ってしまった」とラトゥさん。「今回、日本の多くの方々に協力していただいた。義援金は大使館を通じて現地に届ける。少しでも被災者の生活再建の助けになれば」と話す。