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日本橋に「アナーキー文化センター」 都市開発の隙間で若手アーティストら競演

音楽ゾーンでは自らの声や肉体をプラットフォームに、ジャンルを超えたパフォーマンスを展開する山川冬樹さんと、自作音具「オプトロン」を演奏する美術作家伊東篤宏さんとのパフォーマンスライブを開催

音楽ゾーンでは自らの声や肉体をプラットフォームに、ジャンルを超えたパフォーマンスを展開する山川冬樹さんと、自作音具「オプトロン」を演奏する美術作家伊東篤宏さんとのパフォーマンスライブを開催

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 日本橋三越前に9月10日、多様なジャンルの表現者が競演するアート空間「日本橋アナーキー文化センター(NACC)」が期間限定でオープンした。運営はクリエイター集団「SOSU」(渋谷区)

多ジャンルのアーティストが競演

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 2024年着工予定の日本橋室町1丁目地区再開発計画に伴い昨年移転した「奈良まほろば館」跡地を利用する同施設。会場はファッション、アート、音楽の3つのセクションで構成し、1.5カ月単位でアート、音楽、建築、映像、写真、ファッションなど表現方法が異なる作家が作品を展示する。

 グランドオープンとなる「エキシビジョンVol.01」には13組のアーティストが登場。ファッションゾーンではニューヨークを拠点に活動するジュエリーアーティスト奥田浩太さんやファッションデザイナーの土居哲也さんなど3人のデザイナーが作品を展示する。

 アートゾーンではキュレーターに「G/P+abp」ディレクターの後藤繁雄さんを迎え、「何かが壊れないと、何かは生まれない。予定調和よさらばだ」をテーマに松井祐生さんや伊藤颯さん、岡田佑里奈さんなど5人の写真アーティストを集めた「現代写真アートのアナキズム」を展示する。

 エントランスワークとしてDIEGOさんとアートユニットBiko and Kenny from TZCが、長さ約6メートルの壁にドローイングを披露。アーティスト福原志保さんが参加するアート集団「HUMAN AWESOME ERROR」では暴走族仕様のオートバイ「ホンダCBX400F」の外装を150年の歴史を持つ工芸技法「鍛金(たんきん)」で刷新したストリートバイク「工藝族車」を展示。益子焼の陶芸家佐久間藤太朗さん作の茶わんと100円ショップで購入した茶わんにNFCタグを埋め込み、刻まれた情報とモノと時間の関係がNFTによってどのように変化するかを観察していく「民主的工藝」も展示する。作品を通じ、「日本の伝統は誰を幸せにするのか?」を提議する。 

 音楽ゾーンではライブやパフォーマンスに対応できるDJブースを設置。自らの声や肉体をプラットフォームに、音楽、美術、舞台芸術の境界線を超えたパフォーマンスを展開する山川冬樹さんを迎え、蛍光灯を使用した自作音具「オプトロン」を演奏する美術作家伊東篤宏さんとのパフォーマンスライブを開催する。

 SOSU広報担当の佐藤美香さんは「伝統と歴史の街『日本橋』に『アナーキー』は異色かもしれないが、気鋭の若手アーティストたちのショーケースとして得体の知れない熱量や情熱を感じてほしい。アーティスト同士、あるいは街の皆さまとクロスジャンルの化学反応を引き起こす『場』として貢献できれば」と話す。「1年間限定だが、日本橋に足を踏み入れることの少ない若年層の来街につながればうれしい」とも。

開催時間は10時~19時(土曜・日曜・祝日は20時まで)。入場無料。「エキシビジョンVol.01」は10月20日まで。

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