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「日本橋べったら市」3年ぶり開催へ 江戸時代から続く秋の風物詩

奉納ちょうちんの取り付けが完了し、明かりをともして街の雰囲気を盛り上げる本町3丁目かいわい

奉納ちょうちんの取り付けが完了し、明かりをともして街の雰囲気を盛り上げる本町3丁目かいわい

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 日本橋の寶田恵比寿神社(中央区日本橋本町3)と椙森神社(日本橋堀留町1)周辺で10月19日・20日、べったら漬けなどを販売する露店が並ぶイベント「べったら市」が3年ぶりに開催される。主催は日本橋べったら市保存会。

「日本橋べったら市」3年ぶり開催へ 江戸時代から続く秋の風物詩

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 同イベントの会場となる大伝馬町かいわいはかつて、江戸城常磐御門(ときわごもん)から日光・奥州に続く街道として繊維問屋など大店(おおだな)が並び、江戸一番のにぎわいを見せていた目抜き通り。宝暦年間から続く「べったら市」は、大伝馬町の秋の風物詩として知られ、例年2日間で約10万人を超える人出でにぎわう。

 10月20日に商売繁盛を願って行う「恵比寿講」(商家で恵比須神をまつり、親類・知人を招いて祝う行事)は、歳末の稼ぎ時を迎える商人にとって心構えを一つにする重要な習わし。同保存会によると、講の前日から参道に「市(いち)」が立ち、魚や野菜、神棚などが売られていたのが起源で、中でも麹(こうじ)をべったりと付けた浅漬け大根は甘いものが貴重な時代に人気を呼び、よく売れたことから「べったら市」と呼ばれるようになったという。街の若者が「べったらだー、べったらだー」と呼びながら女性の着物の裾に大根をつけてからかったことが「べったら」の呼び名となったとの説もあるという。

 べったら漬け以外にも、客の好みに合わせて目の前で薬味を調合する「薬研堀の七味とうがらし」、「富士宮焼きそば」など全国各地のご当地グルメが集まるほか、地元企業や団体、住民が出店するなど400店を超える露店が軒を連ねる。

 イベントの中心となる寶田恵比寿神社周辺では現在、奉納ちょうちんの取り付けが完了し、明かりをともして街の雰囲気を盛り上げている。神社裏手でインテリア店「桐子モダン」を経営する亀井淳行さんは「ちょうちんに明かりが入るとワクワクする。市の当日、店では今年もべったら漬けとふるまい酒を用意して客を迎える。みこしの巡行がないのは残念だが、3年ぶりの『べったら市』、少しずつ慣らし運転で楽しみたい」と笑顔を見せる。

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