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丸の内・IMTで開館10周年記念展「極楽鳥」 「アート&サイエンス」コンセプトに展示100点

夜の鳥から昼の鳥、さらに空想上の鳥へと変遷し、最後に極楽鳥が迎えるという構成の展示会場

夜の鳥から昼の鳥、さらに空想上の鳥へと変遷し、最後に極楽鳥が迎えるという構成の展示会場

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 「インターメディアテク(IMT)」開館10周年記念特別展示「極楽鳥」が1月20日、丸の内KITTE(中央区丸の内2)内3階のJPタワー学術文化総合ミュージアム「インターメディアテク」始まった。主催は東京大学総合研究博物館と、「ヴァン クリーフ&アーペル」が支援する宝飾芸術の教育研究機関「レコール ジュエリーと宝飾芸術の学校」。

「アート&サイエンス」コンセプトに100点を展示

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 同館では、2013年の開館以来、展示の基本コンセプトを「アート&サイエンス」として、東京大学が開学以来蓄積してきた学術標本をアートの観点で見せる展示を行ってきた。同展は、「インターメディアテク博物誌シリーズ」の第10回。これまでの展示と趣を変え、アートを中心に据えることで、アーティストが自然界の何にインスピレーションを受けるのか、学術的に記載され研究される「実物」の鳥と、さまざまな工芸的表現に転換される「表現」の鳥を考察し、その変遷を紹介する。

 展示品は、東京大学総合研究博物館所蔵品と、山階鳥類研究所所蔵の鳥類はく製標本、鳥を博物学的にとらえたデッサンコレクションなどの研究資料計45点、さらに19世紀半ばから20世紀半ばにわたって制作された「鳥をモチーフにしたジュエリーコレクション」の計約100点。ジュエリーコレクションのうち、プライベートコレクション3点、「ヴァンクリーフ」13点、その他カルティエやティファニーなどの歴史的名作などは、ほぼすべてが日本初公開品という。

 展示タイトルを「オオフクチョウ(極楽鳥)」にしたのは、鳥類の中でも魅力的な見た目で「極楽」の名を持つ鳥の生態や歴史、伝説、保護の側面を紹介しながら、展示を通じて鳥を巡る学術と芸術の対話を楽しんでもらうことも狙いという。

 同館初の実験的なしつらえという会場デザインは、ファンタジーを感じさせる演出を施す。夜の鳥から昼の鳥、さらに空想上の鳥へと変遷し、最後に極楽鳥が迎える構成で、通常の展示よりも照明を落とし幻想的な場へといざなう空間とした。

 東京大学総合研究博物館特任准教授の松原始さんは「オスの鳥が派手なのは性選択のためとの説がある。装飾は、生きるためには無用で、邪魔でもあり、実は鳥の寿命を縮めてもいる。寿命が2倍縮んだとしても2倍モテればそれで良いいう選択をしている。それを人間がありがたがって鑑賞するというのも興味深い。今回の展示では、人間の目で見て美しいと思える標本を選んでいる」と話す。

 期間中、アートやサイエンスの観点から見た「鳥」について、同館研究員、宝石学者、ジュエリー史家、音楽の専門家が展示を読み解くレクチャー・シリーズを開く。開催日は、3月3日・11日、4月28日。開催時間は開催日ごとに異なる。参加無料。定員は先着制。

 開催時間は11時~18時まで(金曜・土曜は20時まで)。2月20~27日、月曜休館(月曜が祝日の場合は翌日休館)。入場無料。5月7日まで。

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