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「山王祭」6年ぶり開催 日本橋エリアにはみこし16基集結

今回から新たに加わった「象山車」。江戸時代は張りぼての名物だったが、現在はバルーン仕様

今回から新たに加わった「象山車」。江戸時代は張りぼての名物だったが、現在はバルーン仕様

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 「日枝神社山王祭」(千代田区)に関連して6月7日、日本橋エリアもみこしが出るなどにぎわいを見せた。

6年ぶり開催となる山王祭 

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 コロナ禍による2回の中止を経て6年ぶりに「例大祭」と「下町連合連合渡御」が行われる。7日には、氏子地域の長さ約23キロを一日かけて巡行する「神幸祭」が行われた。皇居坂下門では、祝詞と巫女(みこ)による剣の舞「駐輦祭(ちゅうれんさい)」奉奏と宮内庁にお札を献上する「神符献上」の後、鍛冶橋通りを日本橋日枝神社に向かい、銀座に向かっては日本橋中央通りを練り歩いた。

 江戸時代の絵巻さながらに王朝装束の正装を着けた人が練り歩く「神幸祭」の祭礼行列は全長が300メートル超。見物客は「都心に異世界が現れたかのよう」「実際に見たら写真で見ていたより色が鮮やか」「目当てにしていた象が見られてうれしい」などと話していた。

 「下町連合渡御」は9日、下町全体が協力して行い、みこしが京橋から日本橋までの中央通りを練り歩く。日本橋日枝神社(中央区日本橋茅場町1)から出発するみこしは8基。平成通り、さくら通り、すずらん通りで八丁堀のみこし3基と合流する。11基が連なり、八重洲通り、鍛冶橋通りを進み、首都高を越えると、全面通行止めにされた中央通りで、八重洲、日本橋のみこしと合わせて16基が一同に出合う。

 「京橋」と「日本橋」の間は「擬宝珠(ぎぼし)内」と呼ばれ、地元のとび頭衆が先導して木やりを歌い、行き先を清めながら約1キロの距離を、約1時間かけて進む。途中、高島屋館内でのみこしの差し上げと、最後の日本橋の中央にある「道路元標」の上での差し上げが、最高潮の盛り上がりとなる見込み。

 日本橋三丁目西町会前祭礼実行委員長の山崎勇さんは「2020年に2回目の中止が決まった時、『このままでは祭りのやり方を忘れてしまう」と、皆で知恵を出し合って、みこしを乗せた山車と太鼓出車の2台で氏子町内を巡回する『疫病退散山車巡業』を行った」と振り返る。「小規模でもやっておいたから6年ぶりでも感覚が残っている」と山崎さん。「ぎぼし内をみこしが連なって日本橋まで練り歩くさまは壮観。多くの人に見にきてほしい」と来街を呼びかける。

 現実行委員長の中條好亮さんは「6年空いたことで、圧倒的に人手が足りない、各所への説明に時間がかかるなど今回の準備には苦労した。祭りには予行演習がないので今年初めて参加する人や若い人には不安もあるかもしれない。自分は子供の時から慣れ親しんでいるのでここまできたらやるしかないと分かる。けがなく安全に今回を無事乗り切って、次の2年にしっかりつないでいければ」と期待を込める。

 今月17日まで。

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