江戸時代の版元・蔦屋重三郎について学ぶ「第1回蔦重(つたじゅう)勉強会」が7月12日、日本橋の常盤小学校体育館(中央区日本橋本石町4)で開催された。主催は地元町会有志などで構成する「蔦屋重三郎を学ぶ日本橋の会」。
同会は2025年大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢話」主人公の蔦屋重三郎が開業した地本問屋「耕書堂」が日本橋の通油町(現日本橋大伝馬町)にあったことから地元町会の有志らが立ち上げた。今後定期的に勉強会や関連イベントを開催していくという。
第1回となる今回は中央区教育委員会の増山一成さんを講師に迎え、「蔦屋重三郎を知る~生い立ち、商業的活動、中央区との関係について」と題して開催。講演に先立ち中央区の山本泰人区長が「蔦屋重三郎は今で言うスタートアップ。親もなくコネもない困難な環境の中で、知恵と才覚でヒット作を連発し江戸の町を盛り上げた」とあいさつした。
講演では増山さんが写真や資料を投影しながら、有名絵師の歌麿や北斎、写楽を世に出した蔦屋重三郎の概略と日本橋での活動や文化人ネットワーク、日本橋周辺に集中していたという江戸の本屋と出版事情について解説。会場には定員の60人を超える約100人の聴衆が集まり聞き入っていた。
「蔦屋重三郎を学ぶ日本橋の会」会長で、1718(亨保3)年創業のはけ・ブラシの老舗「江戸屋」(日本橋大伝馬町2)12代店主の濱田捷利さんは「予想以上に多くの人に参加してもらい、関心の高さを実感した。勉強会は6回予定している。大河ドラマの舞台になると来街者が増えると聞いているが、10月19日・20日に開催される大伝馬町恒例の『べったら市』と併せ、『蔦重』で日本橋を盛り上げていきたい」と話す。
第2回の開催日は10月4日。テーマは「蔦重の出版活動と大河に登場する文化人」を予定する。開催時間は19時~20時。定員200人、入場無料。要予約。