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「食の會 日本橋」が5周年 江戸末期から明治期の食文化を探求再現

学生時代に店をオープンしたという店主で料理研究家の長内あや愛さん

学生時代に店をオープンしたという店主で料理研究家の長内あや愛さん

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 明治時代のレシピを基にした料理を提供する飲食店「日本橋食の會」(中央区日本橋室町1 Tel 03-6665-0192)が9月24日、オープン5周年を迎えた。

日本の食文化の歴史を料理で再現

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 慶應義塾大学SFC研究所上級研究員で店主の長内あや愛さんが、研究テーマの「和食と洋食の食文化の衝突」を復刻再現する場として大学院生時代の2019年9月にオープンした同店。洋食や中華など多くの食文化が流入し、日本の食が最も多様化した江戸末期から明治期にフォーカスし、文献を参考に再現料理をこれまで提供してきた。

 ランチタイムは明治期に日本料理として誕生した「洋食」を用意。ディナータイムは、「家庭料理」の概念が生まれた明治時代に日本で初めて新聞に「レシピ欄」を掲載した「時事新報」の記事を参考に、全国の食材を使った「明治の家庭料理」を再現して「箱膳(はこぜん)」で提供する。

 さらに、「明治時代に食べられたアイスクリーム」「福澤諭吉が好んだ牛鍋」「日本の洋食の導入・普及に一役買ったカレーライス」など、明治時代当時の料理本や古書からレシピを集め分析して実際に作る「相対的復刻再現」に挑戦しているという。

 14歳の時に東日本大震災に遭遇し、両親が経営する宿泊施設を避難所として提供していたという経験を持つ長内さんは「避難所の中で作ったお菓子が周りの人を笑顔に変えたのが忘れられず、お菓子作りに没頭した」と振り返る。「大学でも食文化の研究に取り組み、その再現の場として、さまざまな食の始まりの地でもある近代食文化の聖地『日本橋』に出店した。オープン早々、新型コロナ・ウイルスの影響で苦労したが、休業中も商品開発やコラボレーションなどで日本橋の多くに皆さまに助けていただいた」と長内さん。

 5周年を記念して提供する感謝特別コースは、復刻再現メニューを中心とした料理10品に全国の酒蔵を巡って集めたという日本酒の飲み放題付きの「桔梗コース」(8,500円、ディナーのみ、要予約)など。予約はホームページと電話で受け付ける。

 営業時間は、ランチ=11時30分~14時30分、ディナー=18時~22時。土曜、日曜、祝日定休。感謝特別コースの提供は10月15日まで。

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