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東京駅ギャラリーで大西茂展 理論「超無限」を網羅した初の回顧展

2階展示室には大型作品も展示。折りたたまれて保存されていた作品は紙のしわもありのままに展示

2階展示室には大型作品も展示。折りたたまれて保存されていた作品は紙のしわもありのままに展示

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 「大西茂 写真と絵画」展が1月31日、東京駅丸の内駅舎内の美術館「東京ステーションギャラリー」(千代田区丸の内1)で始まった。

東京駅ギャラリーで大西茂展 理論「超無限」を網羅した初の回顧展

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 1928(昭和3)年生まれの大西茂さんは岡山県出身の数学者で、北海道大学で位相数学を研究する傍ら創作活動を行った。1994(平成6)年没。

 同美術館によると、同展は大西さんの全貌を紹介する回顧展。写真、絵画、数学研究資料を含めて体系的に紹介する試みは国内の美術館では初で、世界でも初めてという。大西さんは1950年代に、多重露光やソラリゼーション、沸騰した現像液の塗布など独自の技法を組み合わせた写真作品を発表し、国内外の評論家から評価を得た。1960年代以降は写真から離れ、墨を用いた抽象画へと表現を移したという。

 会場では、現存する1000点近い作品の中から選んだ写真や絵画、資料を展示。2階展示室では、長辺2、3メートルの絵画作品などを紹介する。資料コーナーでは、大西さんの数学研究の遺稿や、フランスの美術評論家ミシェル・タピエと交わした論文や手紙、旧制高梁中学校(現:岡山県立高梁高等学校)の同級生で国立近代美術館学芸員を務めた小倉忠夫さんとの交流を示す資料なども公開し、数学・写真・絵画の領域を横断した活動を紹介する。

 「数学、写真、絵画の3分野にまたがる活動のため、大西さんの全体像は長く捉えられてこなかった」と同美術館学芸員の若山満大さん。表現の前衛性から国内では知られにくい存在だったが、近年の国際的研究の進展により評価が高まり、ニューヨーク近代美術館(MoMA)による写真作品の収蔵や海外での個展開催が、今回の回顧展開催につながったという。

 若山さんは「大西自身に野心はなく、郷里・岡山での生活の中で自らの研究と制作に没頭した。数学的記述、独自の写真技法、そして自らの体験を形にしたものが絵画であり、それらは一貫して北大時代に提唱した『超無限』理論に基づいている」と話す。「数学・写真・絵画という3つの領域を並べて展示することで、初めて全体像と特異性が明らかになる。ようやく研究が追いついた今だからこそ、大西が追求した世界の在り方に触れてほしい」とも。

 開館時間は10時~18時(金曜は20時まで)。入館料は、一般=1,300円、高校・大学生=1,100円、中学生以下無料。3月29日まで。

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