海藻の魅力を発信する情報拠点「SeaVege Stand(シーベジスタンド)」(中央区日本橋2)が3月2日、東京・八重洲にオープンした。運営は海藻の栽培・研究を手がける合同会社「シーベジタブル」(高知県安芸市)。
磯焼け(海から海藻が消える現象)の解決を目指し、全国30拠点で海藻の陸上・海面栽培や食文化の提案を行う同社。初の旗艦店となる同店は、1階に海藻料理の飲食店、2階に研究・体験拠点「SEAVEGE - Kitchen Lab(キッチンラボ)」を併設。「海藻の可能性を、空間で実験する」をコンセプトに、食と空間の両面から海藻の魅力を発信する。
内装材は店舗デザインのために、上薬をかける前の素地(読みがな)に海藻を巻き付けて焼成することで模様を表す陶芸の伝統技法「藻掛け(もがけ)」を応用。店内は海藻の灰を原料とした上薬を使ったオリジナルタイルを使う。照明は、乾燥海藻を使った「海藻シャンデリア」、「昆布ペンダントライト」を独自開発するなど、海藻を素材として使った「海藻内装」とした。
昼のメインメニューは、海藻が主役の「海藻ラーメン」。同社独自の瞬間冷凍技術で、最盛期の香りと食感を保持した「すじ青のり」「若ひじき」「みりん」「とさかのり」「あつばアオサ」を盛り付ける。スープは香ばしく焼いた真鯛のアラ出汁(だし)をベースに、麺は「浅草開化楼」(台東区)の中太麺を使用。自社開発の「青のりしょうゆ」で仕上げた。
ラーメンは3種類で、海藻2種のみを乗せたシンプルな「海藻ラーメン」(950円)、5種類の海藻を楽しめる「粋(いき)」(1,150円)、柑橘と「青さオイル」で味変(あじへん)ができる「極み(きわみ)」(1,350円)を用意する。
店を訪れていた近隣オフィスに務める男性客は「最初に混ぜてから食べると良いと言われて試してみた。海藻から徐々にとろみが出てきて、スープにもうまみが増し、気づいたら飲み干していた」と話す。
夜は居酒屋スタイルに切り替わり、「すじ青のりフライドポテト」(890円~)、「海藻と旬魚のクリスタルタルタル」(950円)などのおつまみ、3種類の海藻の香りを組み合わせて蒸留した「海藻クラフトジン by エシカル・スピリッツ」(1,350円)などのアルコール類を提供。数量限定の「海藻クラフトビール」(1,450円)は、2階のキッチンラボで開発・製造する。
同ラボでは、発酵食品や調味料の研究、商品開発を行うほか、障害者支援施設と連携した海藻の加工・商品化のモデルケース事業も進める。今後は、会員制度「Friends Pass」を通じた試食イベントやワークショップの開催も予定している。
料理長の岡田大介さんは「これまで海藻は料理の脇役や彩りとして扱われることが多かったが、ここでは海藻そのものが持つ食感や香りを最大限に引き出し、主役として輝かせたい。一つ一つの海藻が持つ個性を、この一杯のラーメンを通じて驚きとともに楽しんでもらえたら」と意気込みを語る。
営業時間は、ランチ=11時~14時、ディナー=18時~22時。