日本橋小舟町で江戸最古のみこし祭り「天王祭」-5年ぶりに開催

天王祭で使用される小舟町のみこし。

天王祭で使用される小舟町のみこし。

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 日本橋小舟町で9月16日、「小舟町八雲神社天王祭」が始まる。

 通常は4年おきに行われる同祭り。本来は昨年が開催年に当たるが、新型インフルエンザの流行や景気悪化などの影響で延期されたため、今回は5年ぶりの開催となる。「天王祭は、江戸時代にも飢饉(ききん)や災害で延期されたという史実がある。昨年が特別というわけではないが、やはり祭りを待ち望む声が高まっていた」と同町副町会長の黒川治良さん。

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 天王祭は、神田祭・山王祭と並ぶ「江戸三大祭」の一つ。江戸の守り神とされた神田明神の境内にあった3つの神社(天王三社)が、1616年に幕府の手から財力豊かな町の名主にまかされるようになったのが同祭りの起こり。そのため、神田祭や山王祭が幕府による「天下祭」として山車が練り歩く、おごそかな祭礼であるのに比べ、天王祭は庶民による荒々しいみこし祭りなのが特徴。かつては神田・日本橋・京橋のさまざまな町が参加したというが、現在は小舟町だけが同祭りを受け継いでいる。

 祭礼は3日間にわたって実施。初日の「遷座祭(せんざさい)」では、堀留公園(中央区日本橋小舟町)内に「御旅所(おたびしょ)」を設置し、神田明神からの御霊をみこしの中に迎える。17日は「神幸祭」として、神主を先頭に大みこしなどが台車に乗せられ町内をくまなく巡り、厄よけと町の安全を祈念。クライマックスとなる最終日には、同町民がみこしを担ぎ、町内を回る。同町のみこしは1932(昭和7)年完成。製作に3年をかけたという豪華な造りは、「日に千両」といわれた魚河岸があった同町の財力を今に伝える。

 近年、みこしの担ぎ手が増え、前回は90を越す団体が参加。こうした点について、黒川さんは「由来の通り、天王祭は本来、町民が氏神を祭り、町の安全や厄よけを祈念する祭事。祭りの雰囲気を味わい、みこしを担ぎたい人たちの気持ちは分かるが、4年に1回の祭事を次の世代に継承していくためにも、もっと地元に根付かせる必要がある。今年は地域性の強い祭りへ原点回帰の年にしたい」と話す。