新たにオープンした商業施設「コレド室町3」内に3月17日、日本橋倶楽部(中央区日本橋室町1、TEL 03‐3270‐6661)が移転した。
バーでは客のオーダーに合わせて30種類以上のカクテルが楽しめる
日本橋倶楽部は、1890(明治23)年設立の社交クラブ。急速に近代化が進んだ明治の東京で、経済の中心地だった日本橋の実業家が欧米に倣って設立したという。現在は日本橋の企業経営者に限らず、同地域にかかわりのある経済人で構成される。総会員数は約620人。
当初は浜町で設立され、関東大震災や空襲を経て1955(昭和30)年、室町の日本橋倶楽部ビルに移転したが、日本橋室町東地区の再開発に伴い、2010年、同ビルが取り壊しとなり、室町東三井ビルディング(日本橋室町2)のオフィスフロアに一時入居。今回、以前のビルの跡地に竣工されたばかりのコレド室町3に再移転した。フロア面積は432平方メートル。同クラブの会員と同伴者のみが利用できる専用の施設として、ラウンジ、ダイニングルーム、バーカウンターを備え、会議室は一般にも貸し出す。
ダイニングルームは東京會館(千代田区)に運営を委託。利用客の目前で作るオムライス(1,700円)やフランス料理のフルコース(7,000円)などを提供する。テーブル席に加え、新たにボックス席や個室を設け、リラックスできる空間を目指した。内装に旧ビルの土を使って焼成したタイルを採用するなど、120年以上にわたる同クラブの歴史をさりげなく伝える。「創業以来、上品さとともに親しみやすい雰囲気づくりを何より大切にしている」と同クラブの平林康信さん。
月1回、一般向けのイベントを開く。次回は4月25日、「江戸城天守再建」をテーマとした講座を開講(15時~)。NPO法人「江戸城天守を再建する会」会長で太田道灌の子孫・太田資暁さんが講師を務める。参加費は500円。事前申し込み制。