創業127年、人形町の理容店「浪花軒」がリニューアル-跡継ぎ息子、4代目に

4代目の邦治さんと両親

4代目の邦治さんと両親

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 127年の歴史を持つ人形町の理容店「浪花軒」が9月1日、「Hair Junction 浪花軒」(中央区日本橋人形町2、TEL 03-3668-1809)としてリニューアルオープンした。

関東大震災や戦災で何度も焼失したが、その度に再建し営業を続けてきた「浪花軒」

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 1987(明治20)年創業の同店は、同所で127年続く老舗(しにせ)。店名の「浪花」は創業時の地名「日本橋浪花町」にちなむ。同店3代目の大武邦さんによると、これまで別の理容店で修業をしていた長男・邦治さん(38)が今回、4代目として店の運営に加わることになり、今後は母・和(やす)子さんと3人で店を切り盛りするという。

 店舗面積は8坪。レトロな雰囲気を残した店内に、バーバーいすを2脚置く。同店はビルの2階にあり、同ビル1階には邦さんの弟が経営するコーヒーショップが入る。

 初代の三七郎さんが24歳で開業。関東大震災や戦災で何度も店舗が焼失したが、その度に再建し、営業を続けてきた。長年、近隣の問屋街の旦那衆が通い、戦前には花街の関係者、戦後には、近くに道場があったため力道山の門下生などもよく訪れたという。現在は、ビジネスマンや近隣に住む人の利用が多い。

 100年以上をさかのぼれば、髪型の流行も変遷してきた。戦前は、総髪やザンギリ頭、坊主、七三が大半だったが、戦後はさまざまな流行が来ては過ぎ去った。1950年代は米兵のようなGIカット、60年代はアイビーカット、70年代以降は、アイロンパーマ、テクノカット、ツーブロック、長髪、ソフトモヒカンと変遷し、最近は新ツーブロック、おしゃれ七三と呼ばれる髪型が人気だ。同店では、流行に準じながらも、場所柄、保守的な傾向があるという。

 「骨格に合わせて行うのがこだわり」という同店のカットは、洗いざらしやハンドドライでもスタイルが出る収まりの良さを心掛けている。シャンプーとシェービングが付いた「トータルカット」は3,300円、中学生未満は2,000円。女性向けのシェービング(3,000円)も用意する。

 今回のリニューアルで、若い世代の取り込みを狙う。「美容院は美容師にお客さまが付くが、理容店は理容師ではなくお店にお客さまが付くと言われる。おじいちゃんから孫まで4世代にわたって来てくれるようなお店にしていきたい」と邦治さん。「最近は、父親が子どもを連れて理容室に行くことがなくなり、母親が美容室に子どもを連れて行くようになった。親子で来店しやすい店をつくり、理容室を通じて地域の人の生活を楽しくしていきたい」と意気込む。

 営業時間は、8時30分~19時30分(土曜は18時30分まで)。日曜・祝日定休。

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