被災地からの帰還者、東京駅で疲れと安堵の表情

続々と東京へ下り立つ

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 東京駅では3月15日、東北地方の被災地から脱出し、東京へ帰還した多くの人の姿が見られた。

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 現在、那須塩原駅以北の東北新幹線と東北地方のほとんどのJR在来線が運休し、仙台空港が閉鎖、山形空港、庄内空港などからの空の便は予約が取りづらい状況にある。そのため、宮城県から東京方面へのルートは日本海側に抜けて上越新幹線に乗る手段に限られている。出張や旅行中に被災地で足止めされた人や県外の知人宅などに一時身を寄せる人たちが、14日に運行開始した仙台発の長距離バスなどを利用し、山形・新潟経由で東京を目指した。

 法事で帰省していた宮城県の実家で被災したという大友聡さん(33)は22時28分、上越新幹線Maxとき350号で東京駅に到着した。妻や兄、叔父などとともに午前中に仙台を出発し、12時間あまりの道のり。雪がちらつく中、バスを待つ長い行列にも並んだ。帰宅可能なルートや交通情報、乗車券の予約などは東京にいる知人が随時、携帯メールで連絡し、支援した。

 「これまでも宮城でいくつか大きな地震を経験したが、今回はこれまでにない大きさだった。立っていられなかったし、家が壊れるんじゃないかと思った」と大友さんは地震発生時を振り返る。「倒壊や津波は免れたが、電気と水道が止まり、夜はろうそくで過ごした。24時間ラジオを流しっぱなしにしていた」とも。「東京に着いてほっとしているが、(世田谷区の)自宅がどんな状況になっているか心配。まだライフラインがない実家のことも気がかり」と不安は尽きない。「早く帰って、熱いお風呂に入りたい」と疲れまじりの笑顔を見せた。

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