日本橋三越本店(中央区日本橋1、TEL 03-3241-3311)本館・新館7階ギャラリーで、3月29日「春の院展」が始まった。主催は公益財団法人「日本美術院」。
「春の院展」は日本美術院による日本画の公募展として1945(昭和20)年から日本橋三越本店で開催され、今年で72回目。
会場には日本美術院同人33人の力作と応募総数824点の中から選ばれた作品を一堂に集め、日本画壇をリードする巨匠の作品から新進気鋭の作家の意欲作まで351点を展示する。
日本美術院は1898(明治31)年、東京美術学校校長の職を退いた岡倉天心が「大学の後に大学院があるように、美術学校にも院が必要だ」との考えから、共に辞職した橋本雅邦、横山大観、下村観山、菱田春草らと共に設立した研究団体。以来、近代日本美術をけん引しながら芸術を通じて日本の文化と伝統を未来につなげる活動を続けている。
今回、特別企画として日本美術院設立当初の写真パネルや資料を展示する「日本美術院の歴史(明治期)」や2007年10月に同人推挙された宮北千織さんをはじめ、女性の同人を紹介する「日本美術院で活躍する女性同人」も同時開催。出展作家(4月1日=下田義寬さん、2日=那波多目功一さん、8日=西田俊英氏さん)によるギャラリートーク(各日14時~)も予定する。
宮北さんは「日本画というと『古い』というイメージが持たれがちだが、古来から伝わる描写技術を駆使して斬新な表現に挑戦している若い日本画家も多い。今回も多くの作家が意欲的な作品を出展しているので、日本画の『今』をぜひ見に来てほしい」と来場を呼び掛ける。
開催時間は10時30分~19時30分(最終日は18時まで)。入場料は、一般・大学生=800円、高校・中学生=600円、小学生以下無料。4月10日まで。