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人形町の画廊「タグボート」で石川美奈子個展 青のグラデーション作品を展覧

「空気を色に分けて紡いでみたい」という思いからグラデーション作品をつくりはじめたという作家の石川美菜子さん

「空気を色に分けて紡いでみたい」という思いからグラデーション作品をつくりはじめたという作家の石川美菜子さん

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 人形町のギャラリー「タグボート」(中央区日本橋人形町3、TEL 03-5645-3242)で石川美奈子さんの個展「連続と変化」が開催されている。

透明なアクリル板に、青系グラデーションのメディウムを細い線で置いて行く

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 同ギャラリーは、現代アートを中心とした作品のオンライン販売と情報発信を行うサイト「@Gallery TAGBOAT」を運営するタグボート初のリアル店舗。今年8月に人形1丁目から3丁目に移転したことをきっかけにオフィスの一部をギャラリースペースとして開業した。

 色相のグラデーションが特徴の石川さんの作品は、2008年より同ギャラリーで取扱いをはじめており、「Webギャラリーだけでなく実際に観賞してみたい」という声も多かったという。「グラデーションを彩る作家といえば石川美奈子がダントツ。そのくらい独自のスタイルで作家としての在り方を確立できている作家」と同ギャラリーオーナーの徳光健治さん。今回は同ギャラリーが人形町にリアル店舗を構え手から初の展示といなり、作家としても都内初の大きなインスタレーション展示となる。

 同展のシンボル的展示は、会場の二面を占める形で平置きされたブルーのグラデーション作品「地平」シリーズ。「一日で仕上げないと線が変わってしまうので、ひとつの作品を仕上げるのに12時間かかかる」という同作品。透明なアクリル板に、青系のグラデーションのメディウムを注意深く緻密に細い線で置いて行くことでつくりあげる。

 「空気を色に分けて紡いでみたい」という思いからグラデーション作品をつくりはじめたという石川さん。「透明な線を並べて描いてから作品の奥行きを見てみると、線が共鳴しているように感じた。もともとミニマルなものが好きなので、線を描くことも好きだったため、緻密な作品づくりのために無数の線を描きつづけることも苦にはならず楽しい」と笑顔を見せる。

 2006年に岩手から上京し、小田原にアトリエをかまえてからは、ドライブをしながらながめる小田原の海や読書体験など、日々身の回りに起こることを作品に映し込んでいる。今回の作品について「通常アート作品は正面から観賞することを大切にするが、私の作品は側面からみるのも面白い」と魅力を語る石川さん。今後は、グラデーション作品の制作を続けながら、様々な新手法を探っていくという。

 開廊時間は12時~19時(土曜・日曜・祝日除く 最終日は17時終了)。12月27日まで。

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