日本橋の老舗和紙専門店「小津和紙」(中央区日本橋本町3-6-2、TEL 03-3662-1184)で6月15日、浮世絵など伝統木版画の彫師体験教室が行われる。
「匠木版画工房」内の「朝香伝統木版画教室」で指導する朝香さん
7月に始まる「朝香伝統木版画教室」の開講に先立って行われるもので、講師の朝香元晴さんは浮世絵の彫師として「匠木版画工房」(新宿区)を営む傍ら、同工房内の「朝香伝統木版画教室」で指導する。
朝香さんは小学生の時に木版画を始め、その後浮世絵複製の大家・高見澤忠雄さんや菊田幸次郎さんらに師事。これまで、雪舟等楊「秋冬山水図」や長谷川等伯「松林図」、円山応挙「朝顔狗子図」など国立博物館所蔵の国宝・重文級の作品の複製に従事。浮世絵では葛飾北斎「富獄三十六景」、歌川広重「東海道五十三次」「名所江戸百景」などの複製版画を手掛けてきた。
その作品は原画より素晴らしいと評され、ロンドン・パリ・アムステルダム・ヘルシンキ・ミラノなど世界の大学や美術館に招かれ、講演・実演を行っている。
かつて、元アップルCEOの故スティーブ・ジョブズから美人画の復刻依頼を受けたこともあるという朝香さん。「教室を通して版画の魅力に触れてほしい。木版画の工程を体験してもらい、学び始めるきっかけにしていただければ」と期待を寄せる。
前回の参加者からは「約15万円もする職人用の高価なバレンや刷毛を使って体験でき、感激した」「夢中になって時間が経つのも忘れて取り組んだ。早く広重の朝顔が摺(す)りたい」などの声が挙がり、7月の教室開講に向けて盛り上がりをみせる。
開講時間は15時10分~17時10分。受講料は2,160円(その他和紙1枚につき100円)。伝統木版画教室は7月20日から月1回のペースで開講予定。参加は、電話(匠木版画工房=03-5379-5668、小津和紙文化教室=03-3662-1184)で受け付ける。