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日本橋浜町各店でフードロス対策 残りもの食材でかんきつ風呂や特別メニューも

「熱湯」で知られる「世界湯」の湯舟には、浜町マルシェでの売れ残りや、サイズ違いや見た目の悪さで廃棄対象となったかんきつ類約50個が浮かぶ

「熱湯」で知られる「世界湯」の湯舟には、浜町マルシェでの売れ残りや、サイズ違いや見た目の悪さで廃棄対象となったかんきつ類約50個が浮かぶ

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 売れ残りや傷などで廃棄対象となったかんきつ類を湯舟に浮かべて香りを楽しむ「福ごはんの湯」が7月2日、日本橋人形町の公衆浴場「世界湯」(中央区日本橋人形町2 TEL03-3666-7663)で始まった。

レトロな内装と湯温44~45度という「高温」で知られる「世界湯」

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 フードロス問題に取り組む「福ごはんプロジェクト」とのコラボで、売れ残りや、サイズ違い、傷などで廃棄対象となったかんきつ類を開催日限定で入浴用に活用する。

 「世界湯」は、レトロな内装と下町の銭湯らしく湯温44~45度という「高温」で知られる公衆浴場。地元民だけでなく多くの銭湯ファンに愛されてきた。富士山のペンキ絵が生える湯舟には、東伊豆産の甘夏や、熊本産のジューシーオレンジ、瀬戸内産のレモンなど約50個が浮かんでいた。世界湯では期間中、「福ごはんの湯」オリジナルタオルを先着100人限定で提供する。

 同プロジェクトは、年に4回開催する「浜町マルシェ」で売れ残った食材を活用し、食べられるのに捨てられてしまう「食」について考え、解決を目指す取り組み。「もったいない」に代表される日本人のグットマナーで食のサステナビリティを考える一般社団法人「Tokyo Good Manners Project(以下TGMP)」(日本橋浜町1)が推進する。

 TGMP理事の水代優さんは「いろいろな企業、店舗、飲食店にご協力いただいたが、特に地域に根付き、地元の憩いの場でもある銭湯は『浜町という街からフードロス問題について考える』というプロジェクトの趣旨を知っていただくのに最適な場所。最近は若い方も銭湯に足を運んでおり多くの方々に食品廃棄について考える機会を提供できると考えた」と話す。

 今回は世界湯のほか、地元企業や飲食店も参加。地元に本社を置く「カゴメ」や「明治座」では「浜町マルシェ」で売れ残った食材を、マルシェ当日よりも値引きして再販売した。参加店の一つ「HAMACHO DINING&BAR SESSiON」(日本橋浜町3)では「福ごはん」メニューとしてナス、ズッキーニを使ったオーブン焼き(880円)や、北海道産のキタアカリを使ったポテサラ(380円)などを提供。シェフの中島大輔さんは、「何がどれだけ仕入れできるか分からなかったので、道路を挟んだ向かい側で営業中のマルシェの各ブースを下見して、残りそうな食材を見ながらメニューをイメージしていた。マルシェ当日が雨だったため、出店者の皆さんには申し訳ないが大量の食材が確保できた。なくなり次第終了するが、このメニューで1週間は提供できそう」と話す。「2月のオープン以来、『街のダイニング』を目指して営業しきたので、今回のような地域に密着した取り組みは今後も継続したい」とも。

 「かんきつ湯」実施日は7月3日・6日・7日。営業時間は15時~23時。入浴料は、大人(12歳以上)=460円、中人(6~12歳)=180円、小人(6歳以下)=80円。

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