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丸の内でアートアワード授賞式 グランプリは元看護師、生と愛をアートで表現

一時は看護師の道を進んでいたグランプリ受賞の小嶋晶さん

一時は看護師の道を進んでいたグランプリ受賞の小嶋晶さん

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 丸ビル(千代田区丸の内1)1階のマルキューブ周辺で開催されていた「アートアワードトーキョウ丸の内2019」のグランプリ作品が、6月20日決定した。

グランプリ受賞作「情報としての生、または愛」

 国内の若手アーティストの発掘・育成を目的に開かれている同アワード。ジャンルを超えた若手芸術家の登竜門として、国内外で活躍する多くのアーティストを輩出している。13回目となる今回も、審査員が全国の美大・芸大・大学院17校を訪問し、約1万1000点の卒業制作の中からノミネート作品90点を発掘。さらに厳選した25点を丸の内各地で展示してきた。

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 今回はその25作品から、グランプリ、フランス大使館賞、各審査員賞、今年から設置された一般客の投票によるオーディエンス賞などが選出された。審査員の一人は「現代アートの場合、作品への理解者も少ない環境の中で黙々と制作を続けている学生も多い。『アートアワードTOKYO』が賞を差し上げるということは『あなたと、あなたの作品を理解している。頑張って』というメッセージを若いアーティストへ送る意味もある」と話す。

 今回グランプリ賞に輝いたのは、京都市立芸術大学大学院卒の小嶋晶さん。小嶋さんは高校卒業後、看護師として働きながら大阪芸大で油絵を学び、京都芸大の大学院に進んだという異色派で、受賞作「情報としての生、または愛」は、「生」についての解釈を、乳房などの体のパーツで曼陀羅(まんだら)のように図示したインスタレーション。

 「看護師の仕事も気に入っていたが、アートの表現は今しかできないと思い仕事を辞めて大学院に進んだ。看護師時代の経験が、『生』と『愛』をテーマにした今回の作品の中に反映されているのかも」と小嶋さん。「授賞式では、なかなか名前を呼んでもらえず手ぶらで帰るのは嫌だなと、ちょっとやさぐれていたところにグランプリ受賞と聞いて、とても驚いた」と笑顔を見せた。

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