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被災地と日本橋の懸け橋カフェ、地域再開発で一時閉店 年明け室町に新規開店

5年半にわたり南三陸と日本橋をつないできた「わたす日本橋」スタッフ

5年半にわたり南三陸と日本橋をつないできた「わたす日本橋」スタッフ

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 被災地と日本橋をつなぐカフェ「わたす日本橋」(中央区日本橋1)が9月16日、一時閉店した。

どさまざまな企画で南三陸町の情報を発信

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 2025年の完成を目指して進行中の「日本橋1丁目再開発計画」に伴うもので、同店を含むブロック一帯の飲食店など各店が9月末をめどに閉店する。

 2015(平成27)年3月、「南三陸町と日本橋に、人と未来に、心の架け橋を」をコンセプトに、被災地の情報発信や交流を行う拠点としてオープンした同店。三井不動産社員が南三陸へボランティアに行ったことをきっかけに、被災地を応援したいという社員の思いを会社が形にして同店がスタートした。店名には南三陸町や東北と日本橋をつなぐ「橋渡し」と「和を足す」「輪を足す」の意味を込めていた。

 1階・2階のカフェでは東北の食材を使ったメニューを提供し、食を通じて南三陸の魅力を発信。3階のイベントスペース「わたすルーム」では、被災者の体験を聴く「語り部の会」や物産販売で被災地を支援する応援イベント、被災地の中学生向けのオンライン学習支援や被災前の地元を描いたドキュメンタリー映画「波伝谷に生きる人々」上映会などさまざまな企画で南三陸町の情報発信を行ってきた。

 「南三陸の食材が好評で5年半の営業の中で常連のお客さまも増えてきたが、コロナの影響で満足な営業時間が確保できない時期もあり、お客さまに閉店の事がうまく伝えきれない状態で今日を迎えてしまった」とサービスマネジャーの佐藤貢さん。「知らずに食事に来て閉店と聞いて驚かれるお客さまも多いが、移転先が室町と聞くと『ちょっと遠いのでランチは難しいが、夜は必ず行くよ』と言っていただけるのがうれしい」と話す。

 移転先は日本橋三井タワー2階で、オープンは来年1月を予定する。

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