日本橋の人形町通りで11月4日、恒例の「第15回人形市」が始まった。主催は人形町商店街協同組合。
人形町は、江戸時代初期に中村座、市村座など江戸歌舞伎の芝居小屋と花街の旧吉原を中心に発展した娯楽の街。江戸歌舞伎は武家や大店(おおだな)など富裕層を対象としていたが、庶民版として「薩摩浄瑠璃(薩摩座)」「人形芝居(結城座)」などの人形芝居小屋が多く立ち並び、人形遣いや人形職人が多く集うまる人形の町」として知られた。かつて人形の市も開かれていたといわれるが、現代では「人形町」という名前に関わるイベントがなかったことから2006(平成18])年に歴史と文化に立ち返り、人形と関連商品の販売・展示を行う人形市が始まった。
昨年は新型コロナウイルス感染拡大に伴い中止となったが、2年ぶりの開催となる今回は全国から48の人形店・団体が参加した。
期間中、人形町通りの両側にテントを並べ、日本人形や西洋人形、創作人形、ぬいぐるみなど、さまざまな種類の人形を販売するほか、特別企画としてヨーロッパのドールコンテストで数々の受賞歴を持つ人形作家播正ますみさんによる人形作りワークショップを1日3回行う。人形町大観音寺(中央区日本橋人形町1)では恒例の人形供養(人形一体= 2,000円 組人形=一律2万円)を開催する。
開催時間は10時~19時(最終日は18時まで)。11月6日まで。