コンビニエンスストア「ヤマザキYショップ上総屋」(中央区日本橋浜町2)で9月24日、「聴酒祭(ききざけさい)」が開催された。主催は音楽団体「sakenrock(サケンロック)」(日本橋浜町2)。
浜町の「レコードコンビニ」で「利き酒&音楽」イベント DJが蔵元コラボ
レコードが買える「レコードコンビニ」として地元音楽ファンに知られる同店。約50平方メートルの店内では酒類や缶詰、乾き物などのつまみ類、カップ麺などと並んで中古の7インチシングル盤を販売している。店主の進藤康隆さんは「もともと3代続く上総屋という酒屋で、立ち飲みができる角打ち店として毎晩多くの客でにぎわっていた。子ども心に、あのにぎやかな雰囲気が好きだった」と話す。
「父の時代にコンビニになり、自分の代で音楽好きが高じて4年前から中古レコードを置くようになった」と進藤さん。「DJイベントも定期的に開催しているが、音楽とお酒で盛り上がる観客を見ていると、角打ちでにぎわっていた昔の店を思い出す」と笑顔を見せる。
江戸末期から続く蔵元「澤田酒造」(愛知県常滑市)の清酒「白老(はくろう)」を飲みながら、音楽を楽しむ同イベント。「sakenrock(サケンロック)」代表の前田宏治さんは、DJとしてヘヴィメタル、ハードロック系のファンを集めているが、本業は書籍編集者。「TV情報誌」や「旅行ガイドブック」の編集を中心に、「酒GO委員会」の名義で「酒場ガイド」「レシピ本」「日本酒本」などを出版している。
「取材で知り合った『澤田酒造』さんの酒造りの心臓部『こうじ室』が一昨年火事で焼失した。同業者や全国のファンからの支援で昨年酒造りを再開し、今年は『新こうじ室』で醸された白老『秋上がり』の初出荷となる」と前田さん。「表向きは『日本酒秋祭り』だが、裏テーマは澤田酒造復興支援。小さな酒蔵なので東京への流通量も少なく、『白老』を扱う酒販店や居酒屋も少ないので、日本橋かいわいの皆さまに「白老」の魅力を少しでも知っていただきたい」と話す。
DJイベントでは「sakenrock」のほか、アニソンや特撮ソングをこよなく愛すコスプレDJの「声」さんや、昭和歌謡の「けろ山」さん、漫画「DJ道」で知られる漫画家DJ「ムラマツヒロキ」さんなど8人がパフォーマンスを行い、満員の店内を沸かせた。
同店の次回イベントはDJブース新設1周年記念「コンビニDJスペシャル!」と題して10月16日に開く予定。開催時間は16時30分~21時30分。入場料2,000円。