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兜町のどぶろくブルワリーパブが1周年 地元飲食店とコラボ企画も

平和酒造総務企画部手嶋さん(左)と醸造家の宿南さん

平和酒造総務企画部手嶋さん(左)と醸造家の宿南さん

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 兜町のどぶろくブルワリーパブ「平和どぶろく兜町醸造所」(中央区日本橋兜町1)が6月17日、オープン1周年を迎える。

木造ビルにマッチした、ガラス張りの外観

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 紀州の酒蔵「平和酒造」(和歌山県海南市)が日本酒の原型である「どぶろく」をカジュアルに楽しむ場として昨年6月17日に開業した同店。カウンター裏の醸造スペースでは、火入れをしない「生のどぶろく」を醸造する。工程はほぼ手作業のため、不ぞろいの粒感が残っているのが特徴で、店内では、同社の工場で機械詰めされたどぶろくと味や食感の飲み比べを楽しむこともできる。

 同社総務企画部の手嶋光さんは「オープン当初はまだコロナの様相が強かった。幸いなことにクラスターなどは起きなかったが、酒を堂々と飲む雰囲気でもなかった」と振り返る。「1年がたち、コロナも明けて、お酒も飲めて、マスクも必要なくなって、やっと軌道に乗り始めた」とも。

 今年に入って、特に海外の客が増えたという。4月末に北米から来たたという客は「ブルワリーパブ」や「クラフトビール」と検索して来店。どぶろくや日本酒を楽しんだという。

 「海外客に限らず、この店でどぶろくを初めて飲む客も多い」と手嶋さん。店舗で提供する酒は、飲みやすさを重視してアルコール度数を低めに設定しどぶろくは9~10%、日本酒は15%と品ぞろえの中でも低めにしている。「ほうじ茶」や「ゆず」、「黒米」などさまざまなフレーバーのどぶろく開発にも取り組む。

 「オープン当初、スタッフは杜氏や醸造家も含めて全員社員だったが、今ではパートタイムのスタッフも加わり、うまくチームワークができている」と手嶋さん。「皆がどぶろくや日本酒、平和酒造のことを学び、パートスタッフも進んで飲み方や組み合わせの提案をするようになった。常連客もつくようになり、飲食だけでなく会話を楽しみに来店する機会も増えた」とも。

 メニューは、定番の「平和どぶろく プレーン」(70ミリリットル=500円)をはじめ、「開設記念1年熟成どぶろく」(70ミリリットル=700円)、季節のフルーツを使った「夏みかん」(600円)など。酒はボトル販売もしておりテイクアウトにも対応する。和歌山県産食材を使った軽食メニューも用意する。手嶋さんによると、和歌山県産シラスをふんだんに使った「山利しらすと大根おろし」(550円)、有田川町産のサンショウを使った「山椒ポテトチップス」(550円)の人気が高いという。紀州備長炭を使った干物各種(550円)、米麹を使った大根の漬物「紀州漬け」と平和酒造の酒粕を使用した「奈良漬け」の合い盛り(350円)なども酒に合うと好評を得ている。

 同店では、これまで地元のタコスショップ「KITADE TAKOS(キタデタコス)」(中央区日本橋本町3)とイベントを開催するなど、日本橋の飲食店とのコラボ企画にも積極的だ。「今後も月1~2回のペースで企画していく」と手嶋さん。7月には「出張ほぐれおにぎりスタンド」とコラボイベントを行う予定という。

 「和食以外にも、スイーツ系や多国籍の食べ物との組み合わせも考えている」と手嶋さん。「1周年を迎え、酒の魅力を伝える新たなスタートを切ったと思っている。これまでと変わらず酒の発信拠点としての役割を果たしていきたい」とも。

 営業時間は13時~22時30分。

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