![(左から)アグーブランド「やんばる島豚あぐー」を提供する、我那覇畜産の谷井さん、日本生産者食堂KABEATの黒木さん、沖縄県農林水産部畜産課の恩田さん](https://images.keizai.biz/nihombashi_keizai/headline/1739414604_photo.jpg)
日本の生産者を応援するフードダイニング「日本生産者食堂KABEAT(カビート)」(中央区日本橋兜町7)で2月13日、「沖縄アグー豚フェア」が始まった。
「沖縄アグー豚」は、沖縄の食文化を長らく支えてきた在来の「島豚(シマブタ)」を起源とする品種。農林水産部畜産課の恩田寛さんによると、一般のブタに比べ発育が遅く体形も半分程度のため、肉は流通量が限られ希少だという。
「沖縄県アグーブランド豚推進協議会」は、2020年から沖縄アグー豚の保全と系統維持に取り組み、県外に広めるため、家畜改良協会の形質やDNAなどの基準認定をより厳格にするなどして流通に力を入れてきた。
恩田さんは「アグーブランドのおいしさの理由は4点。霜降り肉ならではの食味の良さ、脂肪融点の低さゆえのとろける食感、風味の豊かさ、ジューシさ」と説明する。
日本生産者食堂KABEATでは、2021年のオープンから今年で4年目を迎える。同店では今回、「日本全国の特産品のおいしさを発信する」とのコンセプトと改めて向き合い、食材に立ち返るという意味を込めてメニュー開発に取り組んだという。
メニューは4種で、ランチで用意する「アグー豚のトンカツ定食」(ご飯・スープ付き、2,200円)は、低温で調理することでジューシーに仕上げたカツを使い、塩か特製のたれで提供する。ディナーメニューは、紹興酒の香りとこくととろける食感の「アグー豚の角煮」(1,680円)や、2種類の異なる部位をカツオと昆布のだしで柔らかく煮込み、島ラッキョウとシークワーサーの特製香味タレとともに提供する「アグー豚のせいろ蒸し」(1,500円)を用意。このほかアグー豚をごま油とポン酢でマリネしたサラダにかんきつフルーツを合わせた「アグー豚のしゃぶしゃぶサラダ」(1,000円)など、ご飯のおかずにも酒のつまみにもなる3品を用意する。
アグーブランド「やんばる島豚あぐー」を提供する、我那覇畜産(沖縄県)常務の谷井こずえさんは「沖縄には痩せた人を表す『ヨーガリー』という言葉がある。少し前まで、青年の男でもヨーガリーで今のように恵まれた体格ではなかった。その時代を助けてくれたのがアグー豚。だから一生懸命育てている。育てていてかわいい、愛らしいこの豚をたくさんの方に食べてもらいたい」と話す。
営業時間は、ランチタイム=平日=11時30分~15時、土曜・日曜・祝日11~21時。ディナータイム=平日17~22時30分、土曜・日曜・祝日11~21時。3月21日まで。