人形町今半(中央区日本橋人形町)が3月4日、同社本部新オフィス(中央区日本橋大伝馬町)でクラウドシフト管理サービス「らくしふ」を活用した人材DXの取り組みとしてスポットワーカー戦力化の成果発表会を開いた。主催は、人形町今半、クロスビット(千代田区)。
発表会では、クロスビットが提供するクラウドシフト管理「らくしふ」シリーズの新機能「タレントプール」をテーマに、人材活用の新しいモデルを説明。同社が約1年間運用した成果を紹介した。同機能は、スポットワークなどで業務経験のある人材を企業側がデータとして蓄積し、再び働いてもらいやすくする仕組みで、「一度働いた人を企業の資産にする」という考え方を基盤にしている。
外食産業では少子高齢化や労働人口の減少を背景に人材不足が深刻化しており、採用難は業界全体の課題となっている。今回の取り組みは、スポットワーク経験者を中心に人材コミュニティーを形成し、必要なときに働いてもらう仕組みを整えることで、人材不足と教育コストの課題を同時に解決することを狙う。
人形町今半では2025年3月から同サービスのプロトタイプを導入し、ケータリング事業などを中心に約1年間運用してきた。スポットワークで働いた経験者のデータを蓄積することで、再び働いてもらいやすい環境づくりを進めてきたという。
発表会では、人形町今半ケータリングサービスソリューション部本部長でIT統括室室長の髙岡宏至さんが外食業界の採用環境について説明。髙岡宏至さんは「社員募集をかけてもほとんど応募がないことがあるのが現状。このシステムを使うことで、スポットワークで当社の業務を経験した人を中心にコミュニティー化でき、正社員としての声かけもしやすくなる」と話す。
「今回の『らくしふ』に限らず、外食業界のDX化推進のために当社が積極的に取り組み、先行して成功事例を作っていきたい」とも。
クロスビット社長の小久保孝咲さんは、人口減少社会における労働力不足について触れ、「外食や小売りなどサービス産業では人材不足が構造的課題となっている。シフトデータを活用して採用や配置を最適化することで、現場の働き方を変えていきたい」と話す。
クロスビットは2016(平成28)年創業のHRテクノロジー企業で、クラウドシフト管理サービス「らくしふ」を中心に事業を展開。外食、ホテル、小売などサービス業の現場向けに働き方のデジタル化を進めており、現在は全国3万店舗以上で利用されているという。
人形町今半は1895(明治28)年創業の老舗すき焼き店で、日本橋人形町を拠点に店舗やケータリング事業を展開する外食企業。今回の発表会では、老舗企業がデジタル技術を活用して人材課題に取り組む事例として、外食業界やHR分野の関係者の関心を集めた。
人形町今半では今後も同サービスの活用を進め、スポットワーカーとの継続的な関係づくりを通じて人材確保とサービス品質の両立を図る方針という。