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日本橋三越に「メンズウエアカスタマーサ―ビス」-オーダーメードサロンが対応

縫製工場を訪れ、「技術者が洋服を大切に扱う姿に愛情が感じた」とスタッフの小倉修さんと市坪冴子さん

縫製工場を訪れ、「技術者が洋服を大切に扱う姿に愛情が感じた」とスタッフの小倉修さんと市坪冴子さん

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 日本橋三越本店(中央区日本橋室町1)2階に2月20日、洋服のリフォームカウンター「メンズウエアカスタマーサービス」がオープンした。

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 2009年から伊勢丹メンズ館、昨年から銀座三越で展開してきたサービスが日本橋にも登場した。日本を代表するモデリストとして知られ、銀座でオーダーメードサロン「salone Ondata(サローネ・オンダータ)」「salone de vaguelette(サロン・ド・バーグレー)」などを運営する滝沢滋さんが手掛ける。

 自らの仕事を「新しい服を作るだけでなく、生活の中で服を楽しんでいただく手助け」と滝沢さんは話す。直営店の得意客から要望があったことをきっかけに、2007年、サービスの一環として持ち込みの洋服のリフォームを受け始めた。海外で買った洋服のサイズ直しや流行が過ぎた服の仕立て直しなどニーズが大きかったことから、より多くの人に向けたサービスとして、当時から滝沢さんのブランドを展開していた伊勢丹に提案。伊勢丹の持っていたテーマ「生活をリフォームから豊かにする」と合致したことで、同サービスの展開が始まった。

 買った店、素材に関わらず、原則として「どんなオーダーもお断りしない」のが同店のコンセプト。自社工場を持たず、それぞれが異なる得意分野を持つ約20社の縫製工場を活用。オーダーごとに最適な工場に発注することで、レディスウエアをはじめ、一般のリフォーム業者が対応できないことが多いニットや毛皮のリペア、リフォームも行う。オーダーメードの世界で築いてきた滝沢さん独自のネットワークをリフォームの世界に生かし、「技術を持っているからこそできる」クオリティーを実現した。

 フィッティングにもオーダーメード同様のこだわりを発揮する。洋服を着用した状態で生地をピンで留めながら正確な採寸データを記録。カウンタースタッフは、約2カ月間、滝沢さんのサロンで採寸と接客の研修を受け、専門的な技術を身に付けた日本橋三越の社員が務める。

 袖丈出し詰めはジャケット=3,780円~、コート・ブルゾン=4,305円~、パンツの股下出し詰めはシングル=1,680円~、ダブル=2,100円~、ウエスト出し詰めは2,835円~。「着たいものを今シーズン中に着られないならリフォームの価値がない」と、ほとんどのオーダーは1カ月以内に対応し、クオリティーだけでなくコストとデリバリー(納期)を同時に追求する。

 「オーダーメード以上にリフォームは難しい」と滝沢さん。「新しい洋服を作る場合には生地に余裕があるが、リフォームは限られた生地から作るため失敗ができない」からだ。しかし、これまでの展開で得た予想以上の反響から、気に入ったものを長く使い続けたいという時代のニーズを感じてきた。「たんすの中に眠っている大切なものにもう一度息を吹き返らせたい」と滝沢さんのチャレンジは続く。

 営業時間は10時~20時 (4月1日以降は19時30分まで)。

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