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東京駅ギャラリーで「宮脇綾子」展 意表をつく遊び心の創作紹介

使い古した緑のタオルを使った「さしみを取ったあとのかれい」

使い古した緑のタオルを使った「さしみを取ったあとのかれい」

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 「生誕120年 宮脇綾子の芸術 見た、切った、貼った」展が1月25日、東京ステーションギャラリー(千代田区丸の内1)で始まった。

高いデザイン性と繊細な色彩感覚が特徴(日本橋経済新聞)

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 戦後になり「このまま死んではつまらない」と40歳で創作を始めた宮脇綾子。既製の型紙を使わず、野菜や魚、草花などの身近な素材を徹底的に観察し、布を切り抜き、絶妙なバランスで配置した。手芸の枠に収まりきらない豊かな作品郡は、高いデザイン性と繊細な色彩感覚が特徴。

 生誕120年、没後30年が重なるタイミングで開催に至った同展。展示作品数は約150点。作品を所蔵する「豊田市美術館」の学芸員・成瀬美幸さんは「宮脇さんは、どんな小さな布も捨てず大切にした。旅先でも古い民家に『古布がないか』と尋ねるなど探究心も深かった。いつも朗らかで愛される人柄でもあった」と話す。

 同ギャラリー館長の冨田章さんは「宮脇綾子を『アップリケ作家』と呼ぶことに違和感を抱く」と話す。展覧会は通常「年代順」や「モチーフ別」などで分類されるが、同展では手芸の1分野には収まらない造形作家の1人として捉え、美術史の文脈で語ることで作品への理解を深めることを試みたという。

 「造形的特徴」で分類し、会場を「観察と写実」「断面と展開」「模様を活(い)かす」「模様を活かす」「線の効用」など、会場は8章で構成する。布の柄をさまざまな物に見立てた「模様を活かす」の章では、印半纏(しるしばんてん)の文様をタケノコの皮に見立てるほか、竜の鉤爪(かぎづめ)文様でオコゼのトゲトゲした様子を表現。「模様で遊ぶ」では、写実的に見立てるだけでなく、本来の姿とは異なる鮮やかな布で象かたどった「れんこん」、お祝いにもらったタイを鶴亀模様の布でつくった「鶴亀模様の鯛」などの作品を紹介する。

 作品には、使用済みのネルドリップコーヒーフィルター、柔道着、古くなったタオル、など、意表をつく素材も使われている。「模様そのものが発想の源になっていた。作品から作家の心のゆとりやユーモアを楽しんでいただけたら」と冨田さん。

 開館時間は10時~18時(金曜=20時まで)。月曜(2月24日、3月10日は開館)、2月25日休館。入館料は、一般=1,300円、高校・大学生=1,100円。3月16日まで。

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