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東京駅ギャラリーでいわさきちひろ生誕100年展 高畑勲さん監修作品展示も

開催以来、2万4000人を超える来館者を動員している「生誕100年 いわさきちひろ、絵描きです。」展

開催以来、2万4000人を超える来館者を動員している「生誕100年 いわさきちひろ、絵描きです。」展

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 JR東京駅丸の内駅舎内の美術館「東京ステーションギャラリー」(千代田区丸の内1、TEL 03-3212-2485)で7月14日より開催中の「生誕100年 いわさきちひろ、絵描きです。」が閉幕まで1か月を切った。

ハマヒルガオと少女 1950 年代中頃 ちひろ美術館蔵

 いわさきちひろの絵画は、絵本、挿絵、カレンダーなど、さまざまなメディアを通じて生活の隅々にまで浸透し、没後40年を経過した現在もなお広く愛され続けている。ちひろが、のちの伴侶と出会った際に自己紹介した言葉、「いわさきちひろ、絵描きです。」をタイトルに掲げる同展は、生誕100年を記念し、あらためていわさきちひろを「絵描き」として捉え返す。

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 会場では貴重な戦前の資料や新出の資料も交え、初期作品から珍しい紙芝居、ポスター、油絵などの作品を含む約200点を展示。いわさきちひろの感性の形成期、模索期、スタイルの完成とそれが世に浸透していく過程を4部構成でたどる。前半部では、原風景、そして時代や文化状況との呼応関係を追い、後半では作品の魅力を分析的に解説していく。

 展示室ごとにイメージが変わる構成について、展示担当の成相肇(なりあい はじめ)さんは「子ども、母子、花々など、扱うテーマにおいていわさきちひろは初期から一貫していた。しかしその一方で、使用する画材によって大きく描画スタイルを変えている」と説明する。

 同展では目に見える線や使用画材への着目と共に、描写技術にも注目。どのように体を使い、座って描いたか、立って描いたか。どんな道具や素材を、どのようなスピードで、いかに操作していたかを解説する。

 「鉛筆とパステルではどのように線が変わるのか、あの表情豊かな水彩画にはどのような技術が凝らされているのか。原画を仔細に眺めることで、絵本のストーリーとは異なる『画材のストーリー』が見えてくるはず」と成相さん。「すでに生活に浸透した絵だからこそ、あらためて一点一点の絵を、時間をかけてご覧いただきたい」と見どころを語る。

 2017 年に開催された「高畑勲がつくるちひろ展」の成果を踏まえ、故高畑勲さんが監修した、原画の拡大によってちひろの作品の中に没入する展示空間や、映像番組「黒柳徹子さんと『いわさきちひろ』」のダイジェスト版も併せて紹介する。

 開館時間は10時~18時(金曜日は 20:00 まで 入館は閉館30分前まで)。月曜休館(9月3日をのぞく)。入館料は一般1000円、高・大生800円。中学生以下無料。9月9日まで。