日本橋料理飲食業組合青年部「日本橋三四四会(みよしかい)」が7月1日から15日にかけて、コロナ禍で疲弊する中央区内の福祉施設に約2000食の応援弁当を配達した。
新型コロナウイルスの蔓延を受けて一般社団法人「日本橋室町エリアマネジメント」が展開する「NIHONBASHI HEART BRIDGE PROJECTー日本橋 お弁当で応援プロジェクト」の一環。同法人が立ち上げたクラウドファンディングで集まった支援金を原資に運営した。
クラウドファンディングには日本橋の企業や一般市民など336人が応募し、目標の300万円を大きく上回る319万8千円の支援金を集めた。支援者や協賛企業には、後日利用できる約4000枚の食事券が配られる。
応援弁当作りは「日本橋三四四会」加盟店の中から老舗洋食店「せいとう」や創業1869(明治2)年のすき焼き店「伊勢重」など日本橋の飲食店25店舖が担当。各店の料理長が腕によりをかけた応援弁当は中央区内の特別養護老人ホーム「マイホームはるみ」「マイホーム新川」など4福祉施設に配られた。
「日本橋三四四会」は日本橋の料飲食業組合の青年部で日本橋の伝統を引き継ぐ若手経営者の集まり。創立は1959(昭和34)年4月で会員数は現在約60人。その顔触れは江戸から続く老舗から創業したての店までさまざまだという。
同会会長で、江戸から続く老舗「うなぎ・割烹大江戸」十代目当主の湧井浩之さんは「初めてのクラウドファンディングだったがありがたいことに多くの方にご賛同いただいて2000食を超える弁当をお届けすることができた。おいしいものを食べると元気が出る。食の力で世の中を元気にすることが飲食店の使命」と話す。
「趣旨に賛同して足並みをそろえて協力してくれた会員店にも感謝しかない」と湧井さん。「我々、飲食店にとってコロナの影響は甚大。でもこんな時こそ変化のチャンス。今回、初めて土日営業を検討する会員や初めて弁当を売り出したという店も多い。日本橋の飲食店には、それぞれ時代の変化を読み顧客の要望に応えて進化してのれんを守ってきた歴史がある」と話していた。