日本橋兜町の新たなランドマークとなる複合型総合ビル「KABUTO ONE」(中央区日本橋兜町7)が8月24日、完工した。開発は平和不動産(中央区)と山種不動産、ちばぎん証券。
明治以来、渋沢栄一翁が日本初の証券取引所や銀行を興した地として知られる同エリア。「KABUTO ONE」の完工は「日本橋兜町・茅場町地区における再開発事業」の第1弾プロジェクトとなる。
地上15階、地下2階の同ビル。延べ床面積は約3万9000平方メートルで、5階までのホール&カンファレンスやライブラリー・ラウンジなどが入るパブリックエリアと高層部(6~15階)のオフィスエリアで構成。永代通りと平成通りの交差点に面するガラス張りの1階アトリウムには、心臓をモチーフとした世界最大規模のキューブ型大型LEDディスプレー「The HEART」を設置する。
ディスプレーは4面4分割回転式で、従来の株価パネルのように画一的な経済情報を伝えるだけでなく、経済の動き(脈動・うねり)や市況を心臓の鼓動・血液循環をモチーフにしたアート表現に変換。マーケットの複雑な動静を色彩と映像で表現し、定期的に渋沢翁が遺(のこ)した数々の名言も表示する。
ディスプレー下には500社以上の企業設立に貢献した渋沢翁が、縁起石として生涯愛し力を得ていたという「佐渡の赤石」も移設し、起業の志を持つビジネスマンに公開。1階奥にはコンセントやWi-Fiを備えたワークスペースも用意し、兜町で働くワーカーに無料で開放する。
3・4階のカンファレンス、ライブラリー・ラウンジは10月1日営業開始。東京メトロ「茅場町」駅との接続通路の開通は2022年12月を予定している。