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日本橋室町のダイニングで復興写真展 南三陸町の中学生が10年間の軌跡写す

「全国に伝えたい南三陸町の今」をテーマに、被災時2~4歳だった中学生たちが撮影した写真45点を展示

「全国に伝えたい南三陸町の今」をテーマに、被災時2~4歳だった中学生たちが撮影した写真45点を展示

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 日本橋三井タワー2階のダイニング&バル「わたす日本橋」(中央区日本橋室町2 Tel03-3510-3185)で2月1日、「第6回志津川中学校・歌津中学校写真コンクール」写真展が始まった。

最優秀賞は、防災庁舎跡を撮影した作品

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 日本橋と東日本大震災被災地をつなぐ情報発信拠点として三井不動産が直営する同店は2015(平成27)年から、TV会議システムを通じ、南三陸の中学生と交流を続けている。写真コンクールはその一環として、現地で撮影活動を続けるカメラマンの佐藤信一さんらの協力で「全国に伝えたい南三陸町の今」をテーマに毎年行ってきた。

 6回目となる今年は、被災時2~4歳だった両中学校の生徒たちが参加。南三陸の自然や、小学生時代の思い出、めまぐるしく変わりゆく被災地としての故郷への思いなど、さまざまな風景の写真45点を展示する。昨年11月にリモートで開催した審査員へのプレゼンテーションでは、南三陸町の各教室に参加生徒たちが集まり、モニターを通じて撮影時の状況や心情など「写真に込めた思い」を発表した。

 最優秀賞は、防災庁舎跡と延びる2つ影とを広角レンズで捉えた作品「伝える惨事 繋(つな)ぐ想(おも)い」を撮影した志津川中学校の村上恵梨さんが受賞した。村上さんは「自分には震災当時の記憶はほとんどないが、母から話を聞いて本当に悲惨でつらいことだと心から感じた。このことを自分も誰かに伝えなければと思い写真を撮った」と話す。

 審査員の一人で、第1回コンクールに出展した経験を持つ山形大学2年の芳賀美優さんは「中学生の皆さんが南三陸の美しいところ、すてきなところに気付いて伝えようとしていることが写真から感じ取ることができた。震災当時の記憶が無くても自分が聞き、学んだことを伝えつないでいきたいという言葉を聞いて頼もしく思えた」と話す。

 毎回、子どもたちの写真を見てきた佐藤信一さんは「震災から10年が過ぎ、当時2~4歳だった子どもたちが写真を通してふるさとと向き合い、感じ、思いを語ることは、とても意義深いことだと思う。南三陸が復興を遂げ、力強く歩んでいく姿をこれからも彼らの視点でカメラに収めてくれることを願っている」と話す。

 開催時間は11時~21時 。入場無料。2月28日まで。

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