日本橋室町周辺で10月23日、福徳神社(中央区日本橋室町2)の神幸祭(しんこうさい)が4年ぶりに開催された。
縁起によると貞観年間の859年~876年には、すでに同地に鎮座していたと伝えられている同神社。徳川家康が江戸入府後すぐに参詣し、徳川に福をもたらす神社として幕府の保護を受けてきた。二代将軍秀忠参詣の折に鳥居から若芽が出ていたことから「芽吹(めぶき)稲荷」の別名も持つ。
入母屋造りの新社殿完成は2016(平成28)年10月。社殿横には「福徳の森」を備えている。神幸祭はこれまで2年に一度行われていたが、2020年がコロナ禍で中止となったため4年ぶりのみこし巡行となった。
「福徳の森」周辺にはこの日、「千疋屋」や「三井不動産」など日本橋に拠点を持つ企業35社の担ぎ手がシンボルカラーでもある若緑色のマスクをつけて集合。みこし一行は、氏子総代で同祭実行委員長の「にんべん」13代当主、髙津伊兵衛さんの合図で、買い物客や家族連れでにぎわう日本橋の街に繰り出した。
行列は神職を先頭に、高張りちょうちん、祭り世話人、おはやし隊と続き、麒麟(きりん)像が彫刻されたみこしを約460人の担ぎ手が交代で担いで巡行。日本橋三越やコレド室町など日本橋の要所を巡りながらビル街を練り歩いた。