日本橋室町の「YUITO」隣に3月29日、「浮世小路千疋屋ビル」（中央区日本橋室町2）が竣工した。

　「にぎわいの起点」「通りの景観形成」などをコンセプトに、三井不動産、野村不動産と地権者が中央通り東側の5つの街区を一体的に整備する「室町東地区開発計画」の一環。銀行などの金融機関が多く、これまで平日夕方や週末にはシャッターが下りていた同エリアに、コレド室町、YUITOに続く3番目の施設として登場した。

　地下2階から地上9階で構成。施設総面積は3536平方メートル。5～9階を日本橋千疋屋総本店の本社を含む事務所エリアとし、地下1階にはタリーズコーヒー、地上1・2階には三重県事務所が運営する、同県の魅力を「食べる」「買う」「体験できる」拠点、3・4階には眼科と歯科のクリニックが入居を予定する。地下1階で地下鉄や各ビルの商業フロアと直結するほか、地下2階でコレド室町、YUITOの駐車場とつながる。

　ビル名は、江戸時代、同所にあった地名「浮世小路」から名付けた。「地域一体となって日本橋の魅力をアピールし、さらなる街のにぎわいや発展に貢献したい」と担当の富樫昭さん。来春には、同ビル隣に福徳神社社殿が完成し、新たな観光名所としても期待される。