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京橋アーティゾン美術館でダムタイプ新作帰国展 10人の作家が参加

18年ぶりの新作となる「2022: remap」は会場フロアの中心に設置

18年ぶりの新作となる「2022: remap」は会場フロアの中心に設置

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 「第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示帰国展 ダムタイプ|2022: remap」が2月25日、公益財団法人石橋財団アーティゾン美術館(中央区京橋1)の6階企画展示室で始まった。

日本のアート・コレクティブの先駆け的な存在として知られる「ダムタイプ」

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 ダムタイプは、1984(昭和59)年、京都市立芸術大学の学生が中心となり結成したアーティスト集団。日本のアート・コレクティブの先駆け的な存在として知られ、ヴィジュアル・アート、映像、コンピューター・プログラム、音楽、ダンス、デザインなど多様な分野におけるさまざまな世代のメンバーによって構成。プロジェクトごとにメンバーを入れ替えながら表現を模索している。今回の参加者は、高谷史郎さん、坂本龍一さん、古舘健さん、濱哲史さん、白木良さんなど10人のアーティスト。

 作品「2022: remap」は、2022年開催の第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の日本館展示に選出された18年ぶりの新作。今回の帰国展に際して、同館の空間に合わせた形で再構成したという。

 ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展は、イタリア、ヴェネチアの各所を会場とし、2年に一度開催される現代美術の国際展。イタリア統一間もない1895年の初開催から120年以上の歴史があり、現代美術業界に多大な影響力を持つ存在。同財団では、近年、ヴェネチア・ビエンナーレ日本館展示への支援を行っており、2014(平成26)年の日本館リニューアルに際し改修を提案し、工事費用を寄付したことなどから同館での開催につながったという。

 同作品は展示室の四隅で高速回転する4台の鏡に、レーザー光を反射させて壁に投影したテキストと、回転する超指向性スピーカーから流れる音声で構成する。「地球とはどのような形ですか?」「私たちはどの大陸に住んでいますか」「太陽が昇る時、目の前にある海はなんですか」など、1850年代の日本の教科書から引用したシンプルで普遍的な問いを、見えるか見えないかの文字、聞こえるか聞こえないかの声で投げかける。光る文字が室内を移動して、音の発生源が動くような形を取るため、それぞれが目を凝らし、耳を澄ませることで意味を浮き上がり、それぞれが違う音の体験をすることになる。

 同展では「2022: remap」の他、過去作品「Playback」で使ったターンテーブルや、「TRACE/REACT II」の表現言語などの既存作品と新たに連動するという。

 5階の会場では「アートを楽しむ ―見る、感じる、学ぶ」展も同時開催する。「肖像画のひとコマ ―絵や彫刻の人になってみよう」とのテーマで、「風景画への旅 ―描かれた景色に浸ってみよう」、「印象派の日常空間 ―近代都市パリに行ってみよう」の3セクションを通じて、目の前にある美術作品から多様な特徴を発見し語りあうきっかけが仕組まれた展示となっている。

 開催時間は10時~18時(5月5日を除く金曜日は20時まで)。月曜休館。5月14日まで。

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