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日本橋大伝馬町に日本茶カフェ 建築士が築100年の長屋を改修

建築設計士の大川三枝子さんが築約100年の木造長屋を改修して開店した日本茶カフェ「LOAM(ローム)」。隣は創業97年という小笠原輪業

建築設計士の大川三枝子さんが築約100年の木造長屋を改修して開店した日本茶カフェ「LOAM(ローム)」。隣は創業97年という小笠原輪業

 日本茶カフェ「LOAM(ローム)」が10月22日、中央区日本橋大伝馬町にオープンして1カ月がたった。

オープン1カ月、街の居場所に

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 建築設計士の大川三枝子さんが設計事務所運営の傍ら、週3日間営業する同店。店舗は大伝馬町にある築約100年の木造長屋に耐震工事を加え改修した建物の一角にあり、奥には大川さんの設計事務所がある。約18年前から日本橋に拠点を置き、全国の日本茶葉農家、町の茶葉店の店舗設計にも携わってきたという大川さんは、歴史ある建物や商業、人とのつながりが残る一方、新しい働き手や店が加わる日本橋の街の姿に魅力を感じてきたという。

 大川さんは「日本橋には何百年も続く企業もあれば、新しく加わった人たちもいる。仕事も世代も幅広い。さまざまな時代の積み重ねと多様性が、この街の面白さにつながっている」と話す。店名の「LOAM(ローム)」は蓄積して安定する豊かな土壌のイメージから名付けた。

 店では、鹿児島県の霧島茶を生産する「今吉製茶」など、生産者から直接仕入れた茶葉を使い、緑茶やほうじ茶を一杯ずつ入れて提供する。抹茶ラテや氷だし緑茶を使ったソーダなどのアレンジドリンクも用意。茶の色合いも楽しんでもらえるよう、主にガラスの器を使って提供する。

 日本茶をメインに提供する理由について、大川さんは「抹茶が注目される一方、家庭で緑茶やほうじ茶を入れて飲む機会が少なくなっている。日本文化として、身体にもなじむ国産のお茶を飲む習慣がなくなっていくのはもったいない」と話す。

 「難しいお茶を勧めたいわけではない。茶葉から入れたお茶を飲みながら、仕事や暮らしの合間に気持ちを切り替えて”自分をリセット”できる場所にしたい」とも。

 スイーツには、きなこアイスを使った「アイス最中」(880円)を用意。あんこは近隣の和菓子店「日月堂」から、最中の皮は蔵前の専門店「種亀」から仕入れているという。店内で作るきなこアイスと組み合わせ、注文に合わせて仕上げる。店内では人と犬の暮らしに寄り添う日用品も販売しており、愛犬との散歩途中に一休みする人の姿もある。

 近隣のオフィスで働く人の利用が多く、「なぜコーヒーではなく日本茶なのか」と尋ねられることもあるという。「茶の産地や生産者について会話しながら提供する時間を大切にしている」と大川さん。

 10月19日・20日に開催された「日本橋恵比寿講べったら市」では、普段は閉めている古い扉を開き、屋台形式で営業した。大川さんは「いつもは外からのぞいていた人たちにも入ってもらえた。建物の中と外の町がつながり、お茶を飲んでもらえたのがうれしかった」と振り返る。

 「海外からの来店客もあり、開店後に訪れた外国人旅行者から、日本滞在中に初めて日本茶専門のカフェを見つけたと話しかけられたこともあった」とも。

 メニューは、「抹茶ラテ」「季節の自家製ソーダ」「氷だし緑茶ソーダ」(以上、880円)のほか、ビール好きという大川さんが選んだ、産地の川越から取り寄せた「coedoビール 白」(880円)も販売する。

 大川さんは「ペットボトルを買って飲むのも良いが、お茶を入れる時間には誰かと話したり、自分自身と向き合ったりする余白がある。設計の仕事に関係なく、建物や暮らしのことも気軽に相談できる、街の居場所のような店にしたい。今後は、仕事前の早朝や週末、早めの夕方以降など営業時間を拡大していきたい」と意欲を見せる。

 営業時間は火曜・水曜・金曜=10時~17時。