福徳神社(中央区日本橋室町2)の「神幸祭」が10月4日、行われた。
福徳神社は貞観年間から日本橋室町の鎮守として祭られてきたとされ、現在は室町2丁目を氏子地域とする。2014(平成26)年に新社殿が完工し、翌2015(平成27)年には隣接地に「福徳の森」が完成した。
神幸祭は新社殿への遷座を記念して2016(平成28)年に始まり、神田祭が行われない裏の年に隔年で開催。2020年はコロナ禍で中止となり、2022年には4年ぶりにみこし渡御が復活した。
当日は11時から発輿祭(はつよさい)を執り行った。神職による祝詞奏上や玉串奉奠(ほうてん)の後に、氏子総代で千疋屋社長の大島博さんがあいさつ。「近年、福徳神社は『推し活』の聖地として知られるようになり、世代的にも幅白い参拝者で街のにぎわいの中心となっている。10年前に始まった神幸祭も、徐々に規模が拡大して今回は過去最多の30社、450人の担ぎ手に参加いただいている」と話した。11時30分にみこしが福徳神社を出発。神職らに続き、地元企業や氏子関係者らが室町2丁目を巡った。
みこしには日本橋のシンボルでもある麒麟(きりん)像が彫刻されている。2016年の第1回神幸祭に合わせ、同神社の崇敬会「芽吹会」が奉納したもので、過去の神幸祭でも「にんべん」「三井不動産」など地元企業で働く人たちが担ぎ手として参加してきた。
今回も企業ごとのはんてんなどを身に着けた担ぎ手が交代しながらみこしを担ぎ、オフィスや商業施設が並ぶ室町の街を約2時間にわたって氏子地域を渡御し、13時40分に宮入りした。
担ぎ手の一人、三井住友信託銀行日本橋営業部の黒部健太朗さんは今回が2回目の参加。「入社後、最初の配属先が日本橋で、2年前に初めて神幸祭に参加した。歴史ある神社のみこしを2回も担ぐことができて光栄に思う」と話す。
黒部さんは「日本橋では社内はもちろん、街の先輩方にもお世話になり、育てていただいたという思いがある。異動もあり2年後も担げるかどうか分からないが、日本橋で頂いたご縁を大切にしていきたい」と笑顔を見せる。