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日本橋大伝馬町のギャラリーで「若林真耶個展」 鍛金とガラスで人物を表現

なかなか、なついてくれないフレンチブルドック「ガブ」くんがモデルの「やさぐれ」(2015 ガラス、錫、金属箔粉錫)

なかなか、なついてくれないフレンチブルドック「ガブ」くんがモデルの「やさぐれ」(2015 ガラス、錫、金属箔粉錫)

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 日本橋大伝馬町の現代アート画廊「みうらじろうギャラリー」(中央区日本橋大伝馬町2、TEL 03-6661-7687)で現在、鍛金とガラス加工による人物像を展示する「若林真耶個展 OUT OF CONTROL」が開催されている。

鍛金とガラス工芸という二つの技術で制作する人物像は独自の世界感を持つ

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 ガラス作家の父を持ち、子供の頃から工房でガラスを加工して遊んでいるうちに、ヴィヴィットな色彩と透明感、繊細さと力強さといった両極の面を併せ持つガラスに魅了されたという若林さん。金属の質感に惹かれ、東京藝大学工芸科と同大学院で、金槌で金属を直接造形する鍛金技法を学んだ。鍛金とガラス工芸という二つの技術を習得して制作する人物像は独自の世界感を醸し出す。

 在学時から一貫して精神や心といった「目に見えない存在」に強い興味を持ち、その時折の自分のこころの居場所と月や太陽、雲など人が自然に抱くイメージから着想を得た作品を制作してきた。

 今回の展示では子供とペットの自我をテーマにした「OUT OF CONTROL」13点、移ろいやすい花と心が輝く刹那を表現した「花心(はなごころ)」4点の2シリーズの新作を中心に、力作30点を展覧する。

 展示会のタイトルとなった「OUT OF CONTROL」は、自分ではコントロールできない一個の存在。親、や飼い主が自分の支配物として捉えがちな「子ども」や「ペット」も実は、独自の意思と意図をもった尊敬すべき特別の存在であることを、錫による鍛金とガラス加工で表現している。実は、なかなかな自分になついてくれないペットのフレンチブルドック、「ガブ」くんがモデルだという。

 会場には1.2ミリの銅板から一切の接合なしで「一枚絞り」の技法で制作された「ミーアキャット」像とその製作写真が展示されており、「鍛金」技法の地道でち密な工法が理解できる。

 「鍛金は制約の多い技法だが、限られた条件の中で工夫して表現の幅を広げていくことが面白い」と若林さん。「ガラス加工の技法と合わせることで、他にない多様な表現が可能になる」と話していた。

 開廊時間は12時~19時。月曜定休。入場無料。9月13日まで。

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