小網神社(中央区日本橋小網町)の例大祭が5月30日に行われ、10年ぶりに神社みこしと子どもみこしが氏子地域を巡行した。
小網神社は1466年に創建されたと伝わる神社。悪疫鎮静の神として鎮座し、戦国武将の太田道灌があつく崇敬し、神社名も道灌が付けたと伝わる。主祭神は稲荷大神で、境内には健康長寿の福禄寿と財運向上・学芸成就の弁財天も祭られている。
昭和初期に建てられた現在の社殿は1929(昭和4)年建立。東京大空襲による戦災を免れたほか、同神社の御守を受けて出征した兵士全員が生還したと伝えられていることから、「強運厄よけの神」として信仰を集めている。近年は「東京銭洗い弁天」としても知られ、国内外から多くの参拝客が訪れる。
例大祭は毎年5月28日に執り行うが、神社みこしの渡御は5年ごとの神幸祭として実施。神様が氏子の暮らしぶりをご覧になるとともに、お恵みを授けるとされている。前回2021年は新型コロナウイルス禍の影響で中止したため、地域住民が待ち望んだ10年ぶりの神幸祭となった。
13時に神社みこしが宮出し。担ぎ手たちは威勢の良い掛け声とともに、日本橋小網町や蛎殻町、人形町周辺の氏子地域を練り歩いた。沿道には地域住民や見物客が集まり、神社みこしが通過するたびに拍手や声援を送っていた。
神社みこしは、小網神社御鎮座500年祭の記念事業として製作されたもの。東京・浅草の宮本重義さんが手がけた屋根延神社型(やねのべじんじゃがた)で、漆塗りの本体には上長押(なげし)に「松に鶴」、下長押に「波に千鳥」、唐戸脇には「昇降龍(りゅう)」の彫刻が施されている。重さは1トンを超えるとされ、都内有数の大型みこしとして知られる。
神社みこしに続いて子どもみこしも巡行。地域の子どもたちが法被姿で参加し、保護者や町会関係者に見守られながら練り歩いた。4人の子どもと共に参加した眞鍋裕亮さんは「10年前も『日本橋パパの会』メンバーと子ども連れで参加した。今回はそのメンバーたちが祭りの実行委員を務めている。5年後の例大祭では子どもたちも神社みこしを担いでいるかもしれない」と笑顔を見せた。
例大祭は5月28日の祭典、29日の宵宮を経て、30日の神社みこし渡御で締めくくられた。氏子地域では町会関係者や住民が沿道で神社みこしを迎え、10年ぶりの渡御を見守った。