
食の研究開発拠点「&mogu Food Lab」が2月26日、日本橋富沢町にオープンした。運営は三井不動産(中央区日本橋室町)。
同社が日本橋を中心に取り組む食のイノベーションプロジェクト「&mogu by Mitsu Fudosan」の一環で、運営するハードアセットやパートナー企業のノウハウなどを活用し、食の事業開発を支援。事業開発のコンセプト設計への伴走や生活者調査、シェフによる試食会開催、テスト販売場所の提供や飲食店メニュー化など、事業開発フェーズごとのサポートを行うことで、新規事業創出の高速化や成功確率を 向上させることを目指す。
5階建てのビルをフルリノベーションした同ラボは延べ床面積約200平方メートル。 4 フロアの調理場には、スチームコンベクションオーブンや急速冷凍機、製氷機などの専門機材を備え、撮影スタジオや試食会スペース、ミーティングルームなど、食の研究開発に必要な環境をワンストップで提供する。
すでに冷温減圧技術でノンアルコール飲料を提供する「COLDRAW」や、レストラン「食の會」運営と日本の食文化史研究や商品開発支援に取り組む「食の会」、家庭料理を都内30カ所の「テイクアウトステーション」で提供する「マチルダ」の3社が入居している。「COLDRAW」と「食の会」は3月29日・30日に福徳神社周辺で開催する「ニホンバシ桜屋台」に出店し開発商品を披露する。
入居者の一人で「食の会」代表の長内あや愛さんは「スタートアップでは手が出せない高価な調理設備が標準で設置されているので、とてもありがたい。撮影スタジオも便利そう。おかげで食の商品開発に集中できる」と笑顔を見せる。
三井不動産日本橋街づくり推進部の吉田信貴さんは「ライフサイエンス、宇宙ビジネスに続く『食』をテーマにした取り組みは、江戸時代から続く飲食店や老舗食品会社など多くの食関連プレーヤーが集積し、歴史ある食文化が蓄積する日本橋ならではのプロジェクト。日本橋飲食店とのメニュー連携や30社以上のパートナーとのマッチング機会提供などで、食のスタートアップや食品企業の新事業開発を支援していきたい」と意気込む。