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日本橋大伝馬町のアート拠点ビルで9周年イベント 草創期のクリエーターら集結

131に再集結した創立メンバーや初期入居者

131に再集結した創立メンバーや初期入居者

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 アート拠点ビル「Creative Hub 131」(中央区日本橋大伝馬町13)3階のシェアキッチン「社員食堂.Lab」で9月20日、ビル開業9周年記念イベントが開催された。

入居アーティストがそれぞれ得意分野で来場者をおもてなし

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 同ビルが立地する大伝馬町及び東日本橋地区は、かつて繊維商社や雑貨卸、衣料品卸が軒を連ねる日本一の問屋街として隆盛をきわめていた。やがてバブル崩壊後の繊維不況を経て、廃業する企業が相次ぎ、同エリアでは古いビルが多数出現した。2000年代初頭、デザイン・アート・建築の視点から日本橋を「再構築=創造」する「CET(セントラル イースト オブ トーキョー)」の活動が盛んになり、空きビルを改装してさまざまなクリエーターが入居し創造活動を展開していた。

 当時スタッフとして関わっていた同ビルプロデューサーで現代アーティストの新野圭二郎さんは、CETの流れを踏襲。美大生や院生だったスタッフの力を借りて築59年、地上7階、地下1階建てのビルを手作りで改装し、2011(平成23)年に「Creative Hub 131」として開業した。

 9周年目となる今回は新型コロナウイルス感染予防の観点から、参加人数を制限し、窓を開放して三密状態を避ける工夫をしながら開催。開設当時からのスタッフや入居アーティストが集まり、近況報告をするなどして旧交を温めた。

 林美貴さん主宰の「mikibar」では林さんの実家でもある長野の銘酒「神渡」を中心に日本酒ソルティドッグなどのドリンク類を用意。「OH!伝馬町」など地元にちなんだ楽曲を持つ「ブルースバンド―縄文ズ」によるライブパフォーマンスなど、入居アーティストなどがそれぞれ得意分野で来場者をもてなした。

 新野さんは「シェアエコノミーという概念が、国内であまり一般的ではない時期に、『シェア』をコンセプトにしたリノベーションビルを立ち上げた。お金に余裕のないアーティストたちが集まって助け合っていたら、自然に互いが持てるものを『シェア』していた」と設立当時を振り返る。

 「コロナ禍の中で例年のようなにぎやかなイベントはできなかったが、立ち上げ当時から関わったアーティストや入居者がたくさん集まってくれた」と新野さん。「多くのアーティストやクリエーターがこのビルから巣立っていったが、9年もたつとそれぞれが社会で影響力を持つ立場になりつつある」と話していた。

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