「途中無給油」で日本縦断中のプラグインプリウス、東京・日本橋を通過

東京・日本橋を通過する「途中無給油」日本縦断挑戦中のプラグインプリウス

東京・日本橋を通過する「途中無給油」日本縦断挑戦中のプラグインプリウス

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 自動車環境問題NGO「ZEVEX(ゼベックス)」(京都府京田辺市)が「途中無給油」で日本縦断チャレンジ中の「プラグインハイブリッド車」が7月10日、五街道の起点である東京・日本橋を通過した。

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 「プラグインハイブリッド車」とは、家庭用電源からコンセントで充電ができ、電池が切れるとガソリンエンジンでの走行に切り替える次世代ハイブリッドカー。同団体は2007年~2009年にも、自作のプラグインハイブリッド車で日本縦断を達成したが、今回はトヨタ自動車が開発し、現在、国内に230台しかない「プリウス プラグインハイブリッド」を使用。鹿児島市で約45リットルのガソリンタンクを満タンにした後、充電を繰り返しながら稚内市まで約3,000キロを再給油なしで走破することを目指している。

 6月30日のスタートから10日間が経過。すでに1,700キロを走行したが、ガソリンの使用量は約15リットルと、燃費は1リットルあたり100キロを超える。これまでの状況について同団体代表・鈴木一史さんは「予想以上の結果」と話し、「通常の電気自動車は電池切れすれば動けなくなってしまうので、バッテリー性能を最大限使いきるまで走ることができない。プラグインハイブリッド車は電池切れすればガソリンで走ることができるので、結果的に電気だけで走れる距離が長くなる」と解説する。

 プリウスの充電は、トヨタディーラーやガソリンスタンドなどのほか、インターネットやカーナビで調べた「充電施設」で行う。基本的に「アポなし」で訪れて充電を依頼するため、断られることや対応に時間がかかること、ナビ上では存在するはずの施設を見つけられないこともあるという。

 この日も、日本橋を通過後、ナビで発見した足立区の公共充電施設を目指したが、スムーズに発見できず周辺を20分以上走って探し、ようやくたどり着いた。鈴木さんは「数字上は充電施設がかなり普及してきたと言われているが、日常生活で実際に電気自動車を使おうとすれば十分なインフラが整っているとは言えない。今回のチャレンジは、『体を張って』その実態を明らかにすることも目的」と話す。

 もともと「四駆自動車サークル」として始まったという同団体。かつては、東南アジアなどのジャングルで四駆を走らせることを楽しんでいたが、「排気ガスやオイルをたれ流す自分の車を見て、これはいけないと思った」という鈴木さんの呼びかけで、電気自動車の普及活動を始めた。最終的には、ガソリンを一切使わない「ピュア電気自動車」の普及を目指すが、コストや実用性の面から、「移行段階としてプラグインハイブリッド車の普及を急ぐべき」と指摘する。

 今後、仙台、青森、札幌などを経由し、7月20日のゴール(北海道稚内市)を目指す。

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