日本橋の夏の風物詩「第54回名橋『日本橋』橋洗い」が7月26日、日本橋橋上で開催された。主催は「名橋『日本橋』保存会」。
日本の道路の原点といわれ、五街道の起点となる「日本橋」の美化保存のため、地元有志が年に一度、7月の第4日曜日に集まり、橋を洗う同イベント。第1回は1971(昭和46)年で、当初は同保存会や地元町会有志が中心となり少人数で行っていた。今年は国道制定150周年の記念開催となり、地元町会や企業、家族連れなど約1800人が参加。国の重要文化財「日本橋」の1年間の汚れを洗い流した。
9時から日本国道路元標前で行ったオープニングセレモニーでは、全国各地から寄せられた名水を道路元標へ注ぐ恒例の「名水 水あわせ」を行った後、今年就任した名橋「日本橋」保存会の杉江俊彦会長をはじめ、山本泰人中央区長、東京国道事務所、日本橋消防署などの関係者があいさつ。中央区選出の衆議院議員・辻清人さんや、毎年参加しているという片山さつき財務大臣が駆け付けた。
橋洗いは9時35分、東京国道事務所の散水車による放水を合図にスタート。参加者は環境に配慮した天然洗剤を使い、橋面を一斉に磨いた。橋の上では法被姿の町会関係者や企業の社員、親子連れが声を掛け合いながらデッキブラシを動かし、子どもたちは水しぶきを浴びながら笑顔で橋磨きを楽しんでいた。洗浄には雨水などを再利用した再生水を活用するなど、環境にも配慮した取り組みが続けられている。
橋の南北では消防隊員らがホースで勢いよく放水。参加者は全身びしょぬれになりながらも歓声を上げ、炎天下の暑さを忘れたようにブラシを動かしていた。橋の中央では子どもたちが道路元標周辺を丁寧に磨き、日本橋全体を磨き上げた。終盤には東京国道事務所の散水車が橋全体を一気に洗い流して今年の橋洗いを締めくくった。
日本橋は1603(慶長8)年に架橋され、現在の石橋は1911(明治44)年に完成。五街道の起点であり、日本国道路元標が置かれる日本の道路網の起点でもある。1963(昭和38)年に首都高速道路が橋の上空を通ったが、現在は首都高速道路日本橋区間地下化事業が進められており、2040年には橋を覆う首都高撤去が予定されている。「日本橋に青空を、日本橋川に光を」という保存会の長年の願いが実現する日への期待も高まっている。
半世紀以上続く橋洗いは、日本橋の歴史と文化を次世代へ受け継ぐ地域ぐるみの活動として定着している。今年も子どもから高齢者まで幅広い世代が参加し、世代を超えて名橋への思いを共有する夏の一日となった。