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日本橋室町で落語イベントとトークショー 演目通して江戸の循環社会を学ぶ

第3部「ぐるりキッズ プレゼンテーション」では事前学習で学んだ子どもたちが「SDGsが進んだ未来」での街や暮らしのアイデアを発表

第3部「ぐるりキッズ プレゼンテーション」では事前学習で学んだ子どもたちが「SDGsが進んだ未来」での街や暮らしのアイデアを発表

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  トークイベント「べしゃりば」が12月4日、日本橋の室町カンファレンスホール(中央区日本橋室町3)で開催された。主催は一般社団法人日本橋室町エリアマネジメントほか。

落語通じて江戸時代のサスティナビリティ学ぶ

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 日本橋エリアの企業や店舗によるSDGsを発信する「日本橋ぐるり展」の一環として、開催された同イベント。落語、トークセッション、子どもによるプレゼンテーションの3部構成で、落語とトークセッションでは江戸の町衆が守ってきた持続可能な生活様式を再確認した。

 第1部では、環境に対応した江戸の長屋の暮らしを想起させる落語3席を披露。第2部では真打の春風亭一朝さんと柳家喬之助さん、アメリカからリモート参加した経済学者の成田悠輔さん、『江戸に学ぶエコ生活術』の著者であるアズビー・ブラウンさん、地元代表として322年続く日本橋の老舗企業「にんべん」の13代当主の高津伊兵衛さん、三井不動産の川路武さんが、江戸時代と現代、未来をつなぐ「真のサスティナビリティ」の形を探求するセッションを行った。

セッションでは演目「かぼちゃ屋」の与太郎の社会進出の手助けをする世話焼きの話のほか、「井戸の茶碗」では現代のリサイクル産業ともいえる「くず屋」という職業、武士が副業で長屋の子ども達に教育をする風景などに着目し「江戸はサーキュラーエコノミー状態だった」、「今の日本は世の中にお金が回っていないから『宵越しの銭は持たない』という生活はできない」、「定常経済と成長経済をどのように組み合わせていくかが鍵」などの意見が交わされた。

第3部では事前学習で学んだ子どもたちが「SDGsが進んだ未来」での街や暮らしのアイデアを発表。「捨てていた教科書、衣服、食べ物を無駄にしないで貸し借りをしたり直したりするシェア」などのアイデアや「大切な人へ手書きの手紙をドローンで送る」などの案を披露し、高津さんや成田さんらが講評した。今回が2度目の登壇となるブラウンさんは「江戸時代は現代にも勝るサステナビリティーな社会」とし、江戸の長屋の暮らしぶりから「シェア」の精神やルールを土台に、今の時代に沿うところをピックアップすることで未来の社会に役立つことがあると子どもたちを説いた。

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